【東京】在日60万人の戦後たどる 新宿・高麗博物館で企画展
日本が朝鮮半島を植民地支配した韓国併合(一九一〇年)以後の在日韓国・朝鮮人の歴史をたどる企画展「『韓国併合』100年と在日韓国・朝鮮人」が、新宿区大久保一の高麗博物館で開かれている。戦前、戦中を扱った二〇一〇年の展示に続き、戦後に焦点を当てた「後編」で、在日の直面してきた現実を約四十枚のパネルで紹介している。 展示は、一九四五年に植民地支配から解放されながら、政情不安もあって約六十万人が日本にとどまらざるを得なかった経過からひもとく。豊富な文献や証言などから、戦後の日本国内での社会状況をたどっている。 「例えば就職も難しく、部屋もなかなか借りられない。在日が受けてきた痛み、苦しみに日本人はあまり目を向けてきませんでした」と、博物館理事の李素玲(イソリョン)さん(75)。 日本国内で生まれ育った四世、五世に定住志向が強まる中、「ともに社会を形成する未来に向けて、認識の差を埋めておくことが必要なんです」と強調する。 八月二十六日まで。期間中、東北朝鮮初中級学校の校長らによる講座もある。月・火曜日は休館。入場料は四百円、中高生二百円。問い合わせは、高麗博物館=電03(5272)3510=へ。 (鈴木学) PR情報
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