「大変や大変や、みんな大変やでー」






赤い丘より新たな世界へ9






そう叫びながら大浴場に駆け込んできたのは近衛木乃香たちだ。

「何よ〜どうしたの〜」

湯船に浸かりながら、ふにゃけた明日菜が聞く。

「実はな、噂なんやけど次の期末で最下位を取ったクラスは解散なんやて!」

シーン

「・・・・・・ぷっ、そんなのあるわけ無いじゃない!」

そんな馬鹿なと、あっははははと笑う明日菜だったが、木乃香がさらに続けて言う。

「ホラ、うちのクラスずっと最下位やんか。それになんかうちのおじ・・・学園長が本気で怒っとるらしいんや」

木乃香の後ろから顔を出した、早乙女ハルナもそれに続く。

「その上、特に悪かった人は留年!どころか小学生からやり直しとか・・・」

「ちょ、ちょっとまってよー!それ本当なの?」

「ほらネギ君も大変なことになるって言ってたじゃんか。結構本当なのかも」

騒ぎを聞きつけて、風呂にいたほかの生徒達も集まってくる。

「いまクラス、うちは結構面白いし解散するのはイヤやわ〜」

「そうね。でも今の時点で最下位脱出するのは、無理があるわね」

ハルナの発言に注目が集まる。

「どっ・・・どうしてですか?」

控えめに尋ねるのは宮崎のどかである。

「なんてったて、うちのクラスにはバカレンジャーがいるからね」

「「「・・・・・・」」」

バカレンジャーとは綾瀬夕映、神楽坂明日菜、古菲、佐々木まき絵、長瀬楓の五人で構成されている戦隊?なのだ。
集まっていたクラスの中からバカレンジャーが集まる。

「どっどうしよ。このままじゃ私達のせいで・・・・・・」

「う〜む。どうすればいいでござるかな」

「これで解散したら絶対私達のせいだよ」

「今から必死に勉強しても、月曜には間に合わないアル」

そうだ!ネギなら頭がよくなる魔法を知ってるかもと思った明日菜だったが、ネギの魔法が成功した所を見たことが無いことに気づき断念。
そのときバカブラックこと綾瀬夕映が抹茶コーラを飲みながら話し出した。

「ここはやはり、アレを探すしかないかもです」

「アレ?」

「アレってなに?」

「ちょっと夕映アレは・・・・・・」

皆が夕映の周りに集まる。

「皆さんは『図書館島』は知っていますよね?」

「一応ね。あの湖にあるでっかい建物でしょ?私は行った事ないけど」

活字嫌いな明日菜が答える。

「そうです。実はそこの最深部には、読めば頭が良くなるという魔法の本があるらしいのです。
 まぁ、実際は出来の良い参考書の類とは思いますが、それでも手に入れれば強力な武器になります」

シーンと一同は沈黙する。皆、魔法の本が信じられなかったのだ。
その沈黙を破ったのはハルナだった。

「も〜夕映てば、アレは単なる都市伝説だって!」

「さすがに魔法はね〜」

「あー明日菜は、こーゆーのは全然信じないんやったな〜」

明日菜は考えた。実物の魔法使いがいるんだし(それも3人)、もしかしたら本当に魔法の本があってもおかしくないわ・・・・・・。明日菜の小さな脳が30秒でそんな答えをはじき出した。

「明日菜〜どうするん〜?」

黙り込んだ明日菜に木乃香が尋ねる。
すると、くるりと皆の方を明日菜は振り向くと満面の笑顔で力強く宣言した!

「行こう!図書館島へ!」




麻帆良学園図書館島

「この裏手が、私達図書館探検部しか知らない秘密の入り口があるです。
 それと、この図書館には盗難防止のために、数多くのトラップも仕掛けてあるです。
 ですからむやみに本に触れないように」」

「「「おおー」」」

皆が夕映の解説に驚いていると、集団の後ろにいた人物が声を上げる。

「で、私達は何で呼ばれたのかしら。今からお風呂に入ろうと思っていたのに」

「そうですよ。皆さんどこに行くんですか〜?」

すばやく明日菜がその二人に近づくと耳打ちする。

「ごめんなさい、遠坂さん。夕映が言うにはここ結構危ないらしいのよ。だから私達を魔法の力で守って欲しいのよ」

「だから、なんでこんな所に用があるの?」

「そっそれは・・・・・・その、この図書館には頭が良くなる本があるのよ。それを使って今度の期末を・・・・・・」

それに少し考えてから遠坂が言った。

「まったく呆れた考えね。・・・・・・本来なら勉強という物は自分でする物だけど。でも私も魔術師の端くれだしね。
 その本には興味があるわ。
 ネギ君どうする?」

「だっダメですよ!遠坂さんも言ってたじゃないですか。魔法ばかりに頼るなって」

ネギが遠坂に反論する。

「ネギ君、それは時と場合によるわ」

「そうよ!今回だけだからお願い」

明日菜に懇願されしぶしぶと頷くネギ。

「でっでも、魔法は僕封印しちゃって・・・・・・」

「え!」

「あ、そうそう私も今はほとんど使えないわよ?」

「うそ!」

ネギと遠坂の言葉に驚く明日菜。

「早く来るですよ〜!」

すでに話し込んでいる3人以外は扉から図書館内部に入って行っていた。




図書館内部

ヒュン、パシッ!

「ねえ、ここ人が来るんでしょ?」

本を手に取ったネギ目掛けて飛んできた矢を掴みながら、一応魔術で体を強化している遠坂が夕映に尋ねた。ネギは飛んできた矢に、腰が抜けたのか呆然としている。

「今ここは地下三階です。ここまでは私達中学生は入って良いのです」

「中学生はって・・・・・・、このトラップは?」

「先ほども言った様に、ここの図書館には貴重な本がたくさんあります。
 それを盗まれないようにするためのトラップです。
 気をつけてくださいね、むやみにそこらを触ると発動しますから」

様は盗掘者用のトラップということだ。
注意深く見ればそこら中にトラップが仕掛けられているのがわかる。
伊達に戦場に行ってはいない。

「わかったネギ君。それには触れないようにね」

遠坂に注意されあわてて手を引っ込める懲りないネギだった。

「すっすいません。珍しかった物で遂・・・・・・」

がさごそと夕映がリュックから地図を取り出すと、それをみんなの前に広げた。

「私達がいるのはここです。ここから地下11階まで降り、地下道を進んだ先に目的の本があるようです」

「ねぇ、明日までには帰れるの?」

バカピンクこと佐々木まき絵が尋ねる。

「往復でおよそ4時間、今はまだ夜の7時ですから、少なくとも11時ぐらいには帰れるはずです」

それを聞いた明日菜が気合を入れる。

「よしっ!明日は試験でバイト休みだし、絶対手に入れるわよ『魔法の本』!」

「「「おー!」」」



その後は本棚の上を歩き、湖を越えて、変な物に追いかけられてようやく地下11階に辿り着いた。
11階では地下道を探してそこから『魔法の本』が安置されている部屋目掛けて突き進んだ。
そして遂に

「おめでとうございます皆さん。この上が目的の本がある部屋です」

少し勝ち誇った顔で夕映が言った。 いつも無表情な顔には少し笑みが浮かんでいる。
すぐに皆で石蓋をどかす。
するとそこには大きな部屋があった。

「すっすごすぎるー!」

「私こーゆーの見たことある。弟のPSで」

「ラスボスの間アル!」

はしゃぎまわるバカレンジャー。
遠坂は隣にいる疲れた表情のネギに尋ねた。

「ねぇネギ君、ここなんか魔力が集まってない?」

「はい、僕もさっきからそう思ってたんですよ」

二人で辺りを観察する。
家一軒が丸ごと入りそうな広間には所々に風化しているが装飾がほどこされている。
奥には巨大な石像が二体。まるで何かを守るように鎮座していた。
その石像の間の足元に目を留めたネギは驚く。

「あ、あれは!」

「ど、どうしたのネギ?」

驚くネギに明日菜が尋ねる。

「あれは伝説の『メルキセデクの書』ですよ!信じられない、どうしてこんな極東に」

「確かにアレからは強い魔力を感じるわね」

2人の発言に皆が驚く。

「つまりアレは本物なの?」

「これで最下位脱出?」

ギラリと一斉に目の色を変える。

「私が一番乗りアル〜」

そう言って駆け出すクー・フェイ。

「やったーこれで最下位脱出よ!」

すると皆も我先に駆け出した。

「あっ待て!あんな貴重な魔法書、絶対に罠があります!」

時すでに遅し、本目掛けて走るバカレンジャーの足元の橋が突然ガコッと中央から割れ、追いかけていたネギと木乃香と遠坂もを巻き込んで皆落下した。
長瀬楓と遠坂以外は着地に失敗して折り重なる。

「あいたたたっ。もう何よこれ」

そういって立ち上がった明日菜が見た物は奇妙な図形だった。
正方形の足場の上に丸い円があり、円の中にはローマ字で“あ”から“ん”まである。

「これってツイスターゲーム?」

すると突然石像が動き出した。それに気づいた遠坂がさっと身構える。

「ふぉふぉふぉこの本が欲しくば、わしの質問に答えるのじゃー!」

「石像が動いたー!」

皆が驚く。そんな中、冷静に遠坂はこの声は学園長だわと思た。

「何をしてるんですか学園ちょ『さぁ始めるぞい!』・・・・・・」

「学園ちょ『第一問』・・・・・・いい加減に」

言葉を遮られシカトされたことに怒りを覚える。

「”DIFFICULT”の日本語訳は?」

しかしそれを無視してさっさと先に進める石像だった。
少し冷静になり遠坂は皆に指示を出す。

「みんな落ち着いて。たぶんこれはあいつの質問の答えを踏んでいけば良いのよ」

「ツイスターゲームと一緒ってこと?」

「ツイスターゲームはしらないけど、たぶんそうよ」

幼いころはほとんど遊んだことが無い遠坂は、ツイスターゲームを知らない。

「『でぃふぃころと』ってなんだっけ?」

「それは『そこの3人は答えたらダメだぞい』・・・・」

そう言ってネギと遠坂と木乃香を指差す石像。

「えっとあれですよ!簡単の反対です」

「わかった!」

皆はツイスターゲームの盤にのると文字を押した。

「む」

「ず」

「い」

『難い・・・・・・まぁ正解じゃ。続いて第2問』

そうしていくつかの質問に答えていく。
答えるたびにどんどんバカレンジャーの体は複雑に絡み合っていく。

『最後の質問じゃ、『DISH』の日本語訳は?』

「何アルか?」

「ほら料理を載せる奴よ」

「メインディッシュとかゆーやろー」

「わかった!お皿ね」

明日菜が答え皆が文字を押していく。

「お」

「さ」

「ら!」

「・・・・・・あれ」

しかしまき絵と明日菜が押したのは『ら』ではなく『る』であった。

「「「「・・・・・・」」」」

『はずれじゃな!』

すると石像は持っていたハンマーを振り上げて床を壊す。
床下は真っ暗な暗黒が広がる穴だった。

「明日菜のおさる〜」

「なんでわたしまで〜」

「いやああああああ〜」

口々に文句と悲鳴を上げながら8人はその穴に落ちていった。






はい第9話でした。どうでしたか?
図書館島編第三話です。ちなみに図書館島編はあと二話か三話まであります。お楽しみに。





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