高校卒業と同時に声帯模写の片岡鶴八さんに師事。
3年後にひとりだちし、東宝名人会などに出演。
テレビにも進出し、バライティ番組を中心に活躍。
さらにドラマや映画にも出演し、これまでに
日本アカデミー賞最優秀助演男優賞などを獲得。
40歳で墨彩画に魅せられ絵を描きはじめ
各地で個展を開くなど、画家としても活躍している。
人口12億人の巨大市場インド。そのインドと日本との間で経済交流の新たな枠組みがスタートした。EPA、「経済連携協定」だ。お互いにものを輸入するときの関税のおよそ94パーセントが今後10年の間に撤廃される。さらに投資に関する規制緩和や、ビジネスマンの入国手続きの簡素化など幅広い分野で両国の経済関係が強化されることになる。おう盛な購買意欲を見せるインドの人々の中心となっているのが貧困から抜け出した「中間層」。その数はいまやおよそ1億6000万人に達する。その中間層に商品を売り込もうと、日本をはじめ世界各国の企業がインドで熱い闘いを繰り広げている。
大手電機メーカー、パナソニックの太田晃雄さんはインドに駐在して2年。エアコンの開発と販売の責任者をしている。インドのエアコン市場の半分近くを占めるのは韓国メーカーの製品。太田さんは電器店をまわり、なぜ韓国メーカー製が受け入れられているのか調査した。カギは価格帯。主力製品を4万円台に設定していた。インドの中間層は価格にとても敏感で、求めているのは最低限の機能。太田さんは、さらに住宅を訪ねてエアコンの使用者の声を聞いた。不満が出たのは、音と冷やす性能。そこで2年かけて開発した末、今年1月、新型のエアコンを発売した。音を抑え、冷やす性能を向上。一方で、風向きを変える機能などはつけず、機種によっては韓国メーカーよりも1万円以上も安くすることに成功。発売から7か月で8万8000台を売り上げた。
去年9月、インドに現地法人を設立した大手製薬メーカー、ロート製薬。10代から20代の若い男女をターゲットにリップクリームや洗顔フォームなどの売り込みをはかろうとしている。現地法人の日本人社員は2人だけ。このうち加藤大樹さんは、妻と2人の子どもを日本に残して今年3月赴任してきたばかり。現場で営業を担当するインド人スタッフを束ねるのが役目だ。成功のカギは、いかに消費者の好みをつかめるかだと考え、インドの若者の心をつかむヒントを求めて日々、街に繰り出す。加藤さんの夢はインドの店に自分で開発した商品を並べること。「工場を建てて、どんどんビジネスを大きくしていきたい」と話す。
80か国語以上に翻訳され、2億部以上出版された漫画、「タンタンの冒険」。主人公の少年記者、タンタンが愛犬スノーウィと世界中を飛び回る。ベルギーでは国民的な人気で街のあちこちでその姿を見ることができる。作者のジョルジュ・レミは、今から100年余り前、ベルギーのブリュッセルで生まれ、子ども向けの新聞の編集長をしていた21歳の時に、「エルジェ」というペンネームでかき始めた。海外特派員にあこがれていたエルジェは「見たこともない世界に行ってみたい」という夢をタンタンに託した。月への冒険では、膨大な資料を集めて想像力を加え、誰も知らない世界を描き、タンタンに宇宙遊泳までさせた。アポロ11号でそれが現実のものとなったのは16年もあとだった。
「タンタンの冒険」のファンは、自分の成長とともに読み直すたびに新しい発見があると言う。そのタンタンが、巨匠スティーブン・スピルバーグ監督、映画「ロードオブザリング」を手がけたピーター・ジャクソン監督のもと、ハリウッドのデジタル技術を駆使して映画化された。スピルバーグ監督は「行ったことがない場所でも情熱があれば伝えることができる。想像力とその場所の歴史が組み合わさることでより壮大な冒険が生まれる」と話す。見たこともない世界へといざなってくれるタンタン。世代を超えて愛され続けている。