2012.5.3 19:59

楽天、バス事故被害者にメール「ご乗車いかが」

 群馬県藤岡市の関越自動車道で乗客のうち7人が死亡し38人が重軽傷を負ったバス事故で、ウェブサイトでバスのチケットを売った楽天トラベル(東京)が事故翌日の4月30日、被害者や家族らに「ご乗車はいかがでございましたか?」などとアンケートへの回答を求める電子メールを送っていたことが3日、同社などへの取材で分かった。

 メールは同社のサイトを通じ、事故を起こしたバスのチケットを申し込んだ会員20人に送られており、被害者のほか家族らも含まれる。

 楽天トラベルは「メールは、出発日の翌々日に自動送信されるシステムだった。受信した方やその家族に不快な思いをさせ申し訳ない」と陳謝。メールを受け取った被害者や家族らは「あまりに無神経ではないか」と憤っている。

 同社によると、メールは4月30日午前、送信された。乗務員の対応やバスの設備、価格などへの感想を寄せてもらうのが目的という。

 文面で「『お客さまの声』にご乗車の感想を投稿していただきますと、乗車された生の声を、ほかのお客さまと共有できます」などと水を向けている。

 息子が重傷を負った40代の母親は「楽天トラベルからは事故後、このメール以外に何の連絡もない。チケットを売った責任を感じていないのでしょうか」と話している。(共同)