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人権活動家の陳氏、渡米希望 米は中国と再協議も

2012/5/3 21:32
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 【北京=森安健】中国の盲目の人権活動家、陳光誠氏(40)が北京の米大使館から病院に移ってから一夜明けた3日、米政府は陳氏と再度接触し、今後の対応を話し合った。当初は中国にとどまることを希望していた陳氏だが、家族の安全などを考慮し、一転して早期の渡米を求め始めた。米側は陳氏の真意を確認したうえで、亡命の意志が固いなら中国側と再度協議する考えだ。

陳光誠氏=共同

陳光誠氏=共同

 「クリントン国務長官の飛行機で私と家族を米国に連れて行ってほしい」。陳氏は米ニューズウィーク誌(電子版)の電話取材にこう答え、3、4日の米中戦略・経済対話で訪中している同長官と共に週内に渡米したい意向を示した。陳氏は当初、米側に対し亡命せず中国国内にとどまる希望を伝えていた。だが、病院に到着し、家族と再会した際に妻が中国当局者から暴行を受けていたことを知り、一転して出国を考え始めた。

 米大使館は3日朝からナンバー2のワング首席公使を入院先の朝陽病院に派遣。陳氏の妻子とは駐車場に停車中の米公用車の中で話し合った。盗聴を避けるためと見られる。記者が写真を撮ろうとすると中国側の私服警官が20人駆け寄り阻止した。

 米政府高官は3日、「今日一日かけて陳氏の立場を分析する。陳氏の最終的な意向がはっきりすれば米国はその目的の達成を支援する」と語り、中国政府と再協議する考えを表明した。渡米には旅券の発行などが必要になるが、陳氏を支援する在米の人権団体チャイナエイドの傅希秋会長は「中国政府はその気になれば1日で発行できる」とみる。

 中国外務省の劉為民報道局参事官は3日の記者会見で、中国政府が出国を許可するかどうかについて「その件については情報がない」と述べるにとどまった。

 一方、劉参事官は同じ会見で「陳光誠は(2010年9月の)刑期満了後は自由市民だった」と発言。「交通秩序のかく乱」の罪で服役した後も続いた自宅軟禁の事実を認めなかった。米政府によると、中国側は今回、陳氏が大使館を出るに当たり(1)陳氏を安全な場所に移す(2)普通の生活ができるようにする(3)陳氏を巡る法的な容疑は残っていない――と確約しているが、この約束を本当に守るかについて疑う声も消えていない。

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