【北京=森安健】米中両政府は2日、北京の米国大使館の保護下にあった盲目の人権活動家、陳光誠氏(40)が大使館を出たと発表、陳氏は北京市内の病院に移った。米政府は「中国側が安全な場所に移すと確約した」として、陳氏は国内にとどまる方針と明らかにした。しかし、AP通信は病院にいる陳氏が「家族の安全を守るため出国したい」と話していると伝え、米側の発表と食い違いがある。今後の展開は不透明だ。
両政府はこれまで陳氏の居場所について一切コメントしていなかった。陳氏は2日、ロック大使とともに大使館を出て、逃走の際に傷めた足などの治療のため北京市内の病院に入院し、家族と再会した。
米政府高官によると陳氏自身は米国への亡命を求めず、中国にとどまることを強く希望したという。中国側が「(陳氏は)安全な場所に移り、大学に進学できる環境を用意する」と確約したため、大使館を離れたとしていた。
AP通信は病院にいる陳氏に対し電話で取材した。それによると、陳氏は「大使館を離れなければ妻が殴り殺されるかもしれないと米高官から伝えられた」と発言。
一方、米政府関係者によると、陳氏はクリントン米国務長官と電話で話し、長官が一貫して陳氏の活動を支持したことに謝意を伝えた。「今後の闘争に立ち向かう準備はできている」との決意も語ったとしており、食い違いが残る。
陳氏の病院への移送は、米中戦略対話を直前に控え、影響の拡大を抑えようと米中両国が急いだ。陳氏が米大使館の保護下に入ったことを受けて、キャンベル米国務次官補が予定より早く訪中。中国側と交渉に当たっていた。
中国外務省の劉為民報道局参事官は「米大使館は正常ではない方法で中国市民の陳を連れ込んだ。内政干渉であり、中国側は絶対に納得しない」と強い口調で批判した。
陳氏が米大使館周辺の厳重な警備をかいくぐって入館するのを米大使館員が手助けしたことを示唆し、米側に謝罪や再発防止の約束などを求めた。
声明を発表したクリントン国務長官は中国側に約束事項を守らせることが「次の重大な課題になる」と指摘している。陳氏の闘争を手助けした仲間もなお拘束中で、今後も当局と陳氏側の対立が再燃する可能性がある。
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