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天声人語

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2012年5月3日(木)付

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 小欄には多くのご意見をいただく。不完全な人間が限りある時間と紙幅で書く話だけに、どんなご指摘もありがたい。匿名の声ほど言葉は荒いが、いかに一方的でも、言論による訴えは歓迎だ▼朝日新聞阪神支局が散弾銃で襲われ、記者2人が問答無用で殺傷されて25年になる。脅迫文に「われわれは本気である。すべての朝日社員に死刑を言いわたす」とあった。いきなり戦場に引き出された思いで、負けられぬと誓ったものだ▼同世代の小尻知博記者(享年29)とは家族の年齢もほぼ重なる。父上は昨夏、83歳で旅立った。妻裕子さん(52)はピアノ教師を続け、娘の美樹さん(27)はテレビ局で働く。かたや目出し帽の男は生死も不明、数ある未解決事件の中でも見たい顔の一つだ▼一連の襲撃で彼らが目の敵にしたのは、本紙の論調だった。この国の風土や文化を愛し、歴史のほとんどを誇り、日本語を相棒とする新聞が「反日」のはずもないのだが、ともあれ言論へのテロである▼この四半世紀、インターネットの登場で、表現の自由をめぐる環境は一変した。65歳の憲法21条に守られ、自由を謳歌(おうか)するネット世界。そこで言論テロといえば、大手メディアによる言論「圧殺」も指すらしい。新聞やテレビはすっかり敵役だ▼大手だろうが個人だろうが、異論を許さぬ言説は何も生まない。社会を貧しくする、言葉の浪費である。誰もが発信できる言論空間を守り育てるためにも、形を変えて横行する「覆面の暴力」に用心したい。

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