変わり果てた人
【はじめに】
制約のかかる身分なため、保釈後の今も関係者のみなさんや元スタッフのみなさんには直接説明や謝罪を
行えずに大変申し訳ない気持ちです。
そんな気持ちの中で月曜日は相手側の証人の一人が出廷してきました。
【変わり果てた人】
逮捕された7月11日以降、はじめて彼を見た。
相手側の証人としてでてきた彼・・・。
表情も何もかもが変っていた。
以前のハツラツとした彼はそこにはいなかった。
その彼は私にはただの一度も・・・3時間半の間視線を向けず・・・
向けられるはずもないか・・・
【完璧な練習】
相手側の質問に対して彼はまるで完全に丸暗記したようにセリフを話していた。
おおよそ予想はしていたものの・・・これが裁判なんだと改めて違和感を感じた。
何度も相手側の人とすり合わせをしたんだろうな・・・
そして彼が今日話したことをまた次の証人にすり合わせして刷り込んで同じこと言わすんだろうな・・・
そう思うと裁判の恐ろしさを感じる。
複数の人が同じことを言えば嘘も本当になる。
調書になかったような嘘も予想以上にでた。
その嘘によって・・・・
【反対尋問】
相手側の質問に答える彼とは別人でとにかく嘘がおかしくならないように常に考え話していた。
その嘘を少し指摘されるととっさに理由を並べる。
明らかに相手側の質問の時とは様子が違っていた。
相手側のときは質問後すぐに彼は答えていたのに・・・先程までとは随分様子が違って見えた。
正面から彼を見る方々にはその状態がはっきりと読み取れたのでは・・・
あらかじめ用意していた流れ通りにすすみ思わぬ回答をもらった場面もあった。
しかしたくさん嘘を暴きたい中で争点を外すことができないという裁判の難しさに反対尋問中ずっとやきもきし
ていた。
【最後に】
相手側にこちらが見せるように求めた彼の多数あるメール履歴。
結局求めに応じてもらえず彼への質問に間に合わず・・・
そのほか多数の押収されたものはいまだ返ってこず・・・
限られた証拠の中で戦わなければならない。
おかしいと思う。
なぜ隠す必要があるのか・・・
真実を明らかにするために必要なそれらのものがこちらには返ってこない・・・
そして次回も徹底的に練習した相手側の証人がでてくるんだろう。
こちらもそれに応じる用意がまた必要となる。
溝渕大志