ロンドン五輪出場権を懸けるアマチュアボクシング女子の世界選手権(12日開幕、中国・秦皇島)に出場する日本代表選手が2日、東京・北区の味の素ナショナルトレーニングセンターで強化合宿を公開。お笑いコンビ「南海キャンディーズ」のしずちゃんこと、ミドル級の山崎静代(33)=よしもとクリエイティブエージェンシー=は練習中、プレッシャーからカメラマンに「撮らないで!」と絶叫。約1時間、控室に引きこもるなど、精神的な不安を露呈。五輪切符を懸けた決戦に向け、重圧を克服できるのだろうか。
呼吸を乱し、タオルで顔を覆っていたしずちゃんが突然、近づいてきたカメラマンに声を荒らげた。「やめてください」。さらに、振り返ってテレビのカメラマンにも「撮らないでください!」と絶叫。リングを下り、洗面所で顔を洗うと、そのまま控室に約1時間引きこもった。
そのまま練習をリタイアしたが、世界選手権に出場するほかの5選手とともに会見には出席。「ベスト8に入って、どんな相手でも崩されないようにしたい」と抱負を語ったが、伏し目がちで元気はなかった。
「左(手)だけの条件付きマスボクシング(軽いスパーリング)になっていっぱい、いっぱいになって焦っちゃったんだと思う」。絶叫の理由を梅津正彦専属トレーナー(43)はこう説明した。そして、「五輪へ行かなければとプレッシャーがかかっているんでしょう」と続けた。
しずちゃんは先月13日の公開練習でも練習中に呼吸を乱し、トイレに立てこもった。そのときは一部週刊誌で「2010年に脳に影が見つかった」と報道されたことに動揺したものだったが、関係者によると問題がクリアになってからも、たびたび練習中に呼吸を乱しているという。
精神的な安定のため、心療内科などにも通院しているというが、五輪切符獲得への重圧を解放するにはいたっていない。世界選手権本番ではさらにプレッシャーがかかるだけに梅津トレーナーは「甘えちゃいけない。前に『そんなに嫌なら出場取り消すか』と言ったら、『やる』と言ったんですから」と、期待を込めて厳しい言葉を並べた。
7日に現地に向け出発し、早ければ12日にも初戦を迎えるしずちゃん。五輪出場へは、世界の強豪たちより前にプレッシャーに打ち勝つことが必要だ。
◆しずちゃんのパニック
▽2012年3月13日 都内での日本代表の公開練習で「いいところを見せようと張り切ったら空回りした」と練習を中断し、控室に引きこもった。
▽3月13日 アジア選手権前のモンゴル・ウランバートルでのスパーリング中、呼吸を乱して5分ほど休み、涙目で練習再開。
▽4月13日 都内での公開練習でシャドーボクシング中に息を乱し、トイレに引きこもる。1時間後に練習を再開したが、非公開に変更。
◆しずちゃんロンドン五輪への道 ミドル級(75キロ以下)で、しずちゃんが五輪に出るには、世界選手権での8強入りが最短条件。逃せば4枠の大陸枠に望みを託す。1枠は開催国の英国。残る3枠はアジア、欧州、オセアニア、アフリカ、米国の5大陸から各国・地域に振り分けられる。詳細は未定。世界選手権の組み合わせ抽選は11日に行われる。
[2012/5/3-06:01 スポーツ報知]