関越道バス事故:「陸援隊」に多数の法令違反…運輸局監査
毎日新聞 2012年05月02日 21時30分(最終更新 05月02日 22時59分)
群馬県藤岡市の関越自動車道で7人が死亡した高速ツアーバス事故で、バス会社「陸援隊」(千葉県印西市、針生裕美秀<はりう・ゆみひで>社長)に多数の法令違反があったことが2日、国土交通省関東運輸局の特別監査で分かった。同省規則で義務づけられている運行指示書を作成せず、乗務前に運転手の健康状態を確認する「点呼」も実施していなかった。針生社長が同局の聴取に対し認めた。
関東運輸局は2日、4月30日に続いて2回目の監査を行い、針生社長からも事情を聴いた。同局は安全管理面で重大な違反が常態化していた疑いもあるとみて、乗務記録などを精査し運行や労務管理の実態を調べる方針。
同局関係者によると、針生社長は運行ルートや休憩場所を記載した運行指示書を作成せず、自動車運転過失致死傷容疑で逮捕された運転手の河野化山(こうの・かざん)容疑者(43)に対し、東京ディズニーランド(千葉県浦安市)に着いた後、旅行会社「ハーヴェストホールディングス」(大阪府豊中市)から行程表を受け取るよう指示していたという。また、運転手が遠隔地にいる場合は電話で点呼を実施する義務があるが、それも行わず点呼簿も作成していなかったという。