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これまでの取り組み
狭山茶ブランド回復キャンペーン

今年度の安全・安心の取組

 昨年、福島第一原子力発電所の事故による放射性物質の飛散により狭山茶も被害を受け、一部の茶製品から暫定規制値を超える放射性セシウムが検出されました。

  県では、信頼回復のため、昨年の秋には、徹底的に全ての銘柄の検査をし、安全なものだけを販売することにしましたが、それでも販売不振はなかなか回復せず、茶業者の経営は大変厳しい状況となっています。

  茶摘み歌で「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」と唄われるように狭山茶のコクのある味は、大変高い評価を受けています。

 約800年の歴史と伝統を誇るこの狭山茶の信頼とブランドの回復を図るため、安全性の確認を徹底することとしました。

 そこで、県では、平成24年産狭山茶について、厚生労働省が定めた新たな食品基準に則り、栽培段階、加工段階、流通・販売段階の3段階チェックにより、安全性の徹底を図ります。

検査の様子

目次

 1 新たな食品基準の適用

 2 新基準による検査手順

 3 新基準に対応した安全・安心の確保

 4  放射性物質調査の結果

1 新たな食品基準の適用

新基準

※ Bq/kg:1kg当たりの物質中に含まれる放射性物質が、放射線を出す能力の強さを表す単位。「ベクレル」。

 より一層の安全・安心のため、国は平成24年4月から基準値を新しく定めました。

 お茶については、これまで、荒茶加工した状態で測定し、野菜などと同じく1kg当たり500ベクレルという規制値でした。

  しかし、お茶は野菜などとは異なり、そのままの状態で食することはまれで、お湯で抽出した状態で飲用することから、実際に飲用する状態を考慮して基準値が設定されました。

 その結果、茶葉を90℃のお湯で抽出した状態で測定するものとし、その基準値は飲用水と同じ1kg当たり10ベクレルとされました。

2 新基準による検査手順

 お茶の新基準による放射性セシウム検査の手順は次のとおりです。

検査の手順

 新基準に対応した安全・安心の確保

(1)栽培段階での安全対策

ア 放射性セシウム低減対策

 茶園の放射性セシウム濃度を低減させるため、茶園表面の葉を刈り落とす整枝(せいし)を、昨年の秋と今年の春に徹底的に実施しました。

パネル2

イ 県茶業研究所の定点調査結果

 県茶業研究所の定点観測では、10月の段階で1kg当たり71ベクレルだったものが、4月には12ベクレルまで低減しています。

 放射性セシウム濃度低減に向けた茶園の管理指針

ウ 茶園調査結果(3月)

 今年3月に県内352か所の茶園の放射性セシウム濃度を調査した結果、県内の茶園の98.5%が問題ないレベルであることを確認しました。

 一方で、山間山沿い地域などで、基準値を超える可能性がある茶園が20か所あることが確認されたことから、これらの茶園については、今年春に出た新芽の追跡調査を実施します。

 最終的に、新芽で1kg当たり100ベクレルを超えた茶園は、製茶加工を行わないよう茶業者への指導を徹底します。

(2)加工段階での検査

ア 検査の流れ

 全荒茶工場について、加工した荒茶を飲用状態で検査し、安全を確認します。

 パネル3

イ 検査時期及び検査対象

(ア)一番茶 

 時期:5月上旬~6月上旬

 対象:県内の全荒茶工場(237か所)から検体を採取します。

(イ)二番茶

 時期:7月上旬~7月下旬

 対象:一番茶の調査結果を勘案し、荒茶工場から検体を採取します。

ウ サンプリング

 県職員と市町村職員が荒茶工場を訪問し、製造者立会いの下、任意の検査用サンプルを直接採取します。

エ 分析・検査

 荒茶を、30倍量の湯(90℃)で60秒間浸出させ、40メッシュの茶こしでろ過した浸出液をゲルマニウム半導体検出器で測定し、安全の確認を行います。

 (検査は、厚生労働省による登録検査機関に依頼します。)

オ 出荷の取扱い

 飲用状態で1kg当たり10ベクレル以下であることを確認した工場の荒茶のみ、出荷開始となります。

 (基準値を超過した場合、茶期ごとに市町村単位で出荷制限を行います)

カ 検査結果の取扱い

 検査結果は判明しだい速やかに公表します。

 (公表内容:検体の市町村名、検出数値)

(3)流通・販売段階での検査

 流通品については、食品衛生法に基づき保健所が検査を行います。基準値を超えた場合、製品(製造ロット)ごとに回収を指示します。

 放射性物質調査の結果

     第3回検査結果(5月2日公表)

     第2回検査結果(5月1日公表)

  第1回検査結果(4月27日公表)