作家の瀬戸内寂聴さん(89)らが2日、東京・霞が関の経済産業省前で座り込みをして脱原発を訴えた。関西電力大飯原発(福井県おおい町)の再稼働に反対する市民らが続けている集団ハンストに加わり、再稼働を進める政府の姿勢に抗議した。日没まで続ける予定。
午前9時すぎに紫色の法衣姿で現れた寂聴さんは、胸元に「再稼働反対」の鉢巻きを留めて座り、「90のばあさんがここに座ったら、マスコミに取り上げられ、それを見た若者が張り切って行動してくれると思って」と話した。
今月15日、満90歳の誕生日を迎える寂聴さんは「これまで生きてきて、福島の原発事故のような恐ろしいことは戦争以外に一度もなかった。政府は再稼働をどうして焦るのか。原発事故は人災であり、同じことを繰り返しては子どもや若い人たちがかわいそうだ」などと訴えた。
作家の沢地久枝さん(81)とルポライターの鎌田慧さん(73)も、座り込みに参加。全国で1千万人の脱原発署名を集める運動を一緒に呼び掛けてきた作曲家の坂本龍一さんからの「気持ちは皆さんと一緒です」というメッセージボードを掲げながら、再稼働反対を訴えた。
(中日新聞)