今年の幸子は“メガ獅子”…紅白歌合戦

いったんは小林がパクリと獅子に食べられる演出だ

　「第６２回ＮＨＫ紅白歌合戦」（３１日・後７時１５分）の２日目のリハーサルが３０日、東京・ＮＨＫホールで行われ、３３回連続出場の小林幸子（５８）が恒例の豪華衣装をお披露目した。今年は総重量２・５トンの「メガ獅子」で登場、小林が一度はパクリと丸のみされる演出で場内を沸かせた。また、２年連続で大トリを務めるＳＭＡＰはデビュー以来、初めて客席に下りて歌唱するプランがあることを明かした。

　復興への願いを込めた、豪華衣装がベールを脱いだ。テーマは「メガ獅子」。真っ暗闇の中、全身ゴールドの衣装で登場した小林。１コーラス目が終わると同時にステージが上昇、突如、現れた巨大な紅獅子の口にのみこまれ、いったんは姿を消した。次の瞬間、今度は獅子の頭上に現れ、６・３メートルの高さから「おんなの酒場」を熱唱した。

　頭からしっぽまで幅８メートル、総重量２・５トンという巨大獅子。０９年の「メガ幸子」（３トン）に次ぐ重さだ。あまりの大きさのため、獅子の胴体がＮＨＫホールの搬入口で引っかかり、別口から搬入するという“おまけ”までついた。

　小林の衣装には頭部などに稲穂をちりばめた。１０月、新潟・山古志村に自身が所有している田んぼで収穫し、乾燥させたものだ。「未来が明るくなるように」と「五穀豊穣」の願いを込めたという。

総重量２・５トンの「メガ獅子」の上で熱唱する小林幸子

　東日本大震災を受けて、豪華衣装の自粛も考えた。が、被災地からの要望を受けて１０月から制作を開始。この日の朝まで、過去最短という制作期間で衣装を完成させた。

　「（獅子に）食べられちゃいましたね」と報道陣から聞かれると「『出てきましたね』って（櫻井）翔君から言われました」と笑顔。舞台の袖で見守った白組司会の嵐が驚くほどのド派手演出だった。高所からの歌唱については「何も感じない。（舞台で）いつも高い所にいるので慣れました」と涼しい顔だった。

　１１月に結婚した医療関連会社・ＴＥＳホールディングス社長の林明男氏（４９）は当日、テレビで応援。「すごく楽しみにしているみたい」と話した。「今年の衣装には笑いが入っている」という小林。その言葉の通り、日本中を笑顔で包む。

　◆山古志村　新潟県中越地方に位置した村で、２００５年４月１日に長岡市に編入された。丘陵地の斜面に広がる森林、棚田、ニシキゴイの養殖や「牛の角突き」で有名な闘牛などで知られたが０４年１０月の新潟県中越地震で大きな被害を受けた。