社説:ツアーバス事故 安全対策後手に回った

毎日新聞 2012年05月02日 02時30分

 国交省はその後、有識者による検討会を設置し安全対策を議論してきたが、結果的に後手に回った。

 先月まとまった検討会の報告を受け、国交省は今後、旅行会社にバス事業の許可を取得するよう指導していくという。公共交通機関にとって安全は大前提だ。乗客の安全に対する責任がバス運行会社との間であいまいなまま、事業に関与させないようにする方向性は当然だ。

 国交省は、有識者会議を設置し、運転距離規制の見直しも検討する。運転手が休憩中、突っ伏して寝ていたとの乗客の話もある。交代要員の配置基準も含め、無謀な過労運転を防ぐ手立てを業界とともに早急に議論すべきである。

 また、バス事業者が安全対策を実行しているかチェックする体制の強化が必要だ。高速ツアーバス運行会社に対しても、これまで監査や行政処分は行われてきた。だが、多数の乗客を高速で遠距離運ぶ重要性に照らせば、念を入れて監督すべきだ。運行会社の安全に対する姿勢を利用者に情報公開することも、併せて検討してもらいたい。

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