今年のソウル大合格者、私立高出身が6割超

国公立高出身者は30%台に急減
「私立の教諭の方が熱意ある」

 韓国で国公立高校と私立高校の学力格差が徐々に広がっていることが分かった。本紙が先月30日、入試教育機関「ハヌル教育」に依頼し、今年ソウル大学に合格した一般系(普通科)高校出身者について分析した結果、私立高校出身者が合格者全体の62.5%で、国公立高校出身者は37.5%だった。韓国の高校全体のうち、国公立と私立の割合は59対41で国公立に通う高校生の方が多いが、ソウル大など主な大学の入試では、私立高校の生徒の方が優勢というわけだ。

 私立高校優勢という現象は、最近徐々に顕著になっている。2010年学年度の入試では、ソウル大に合格した一般系高校出身者のうち私立高校出身者の割合は55.8%だったが、11学年度には59.0%、12学年は62.5%にまで増加した。一方、国公立高校出身者の割合は10学年の44.2%から11学年度には41.0%、12学年度は37.5%まで低下した。わずか2年で40%台半ばから30%台まで急減したわけだ。同じ地域にある学校を比較しても、私立と国公立の学力格差は開く一方だ。09年にソウル・江南地区の私立高と公立高の修学能力試験(修能、日本のセンター試験に相当)の国語・数学・外国語の平均点を比較しところ、20点以上もの差があった。また昨年には、全国約1万1000校の小・中・高校を対象に実施された学業成就度評価で、「学業向上度が高い優秀校ベスト100」に入った学校は、私立高校が65校で公立高校のほぼ2倍だった。

 このように、私立校の生徒の成績が優秀なのは、私立校の教諭の授業に対する熱意が、公立の教諭より高いためとの見方が強い。ソウル市内の私立高校の校長は「私立の教諭はその学校が一生の職場になるため、授業を通じて自分の実力を認められなければならないという意識が非常に高い。教諭のそうした意識と、学校への所属意識が、生徒の学力につながっている」と説明した。一方、公立の場合は、校長も一般教諭も4-5年周期で異動するため、学校に対する愛情や所属意識が私立に比べて薄く、授業の能力も劣るというわけだ。

 教育界では、公立校の教諭の異動制度を改善しない限り、今のように公立が劣勢という現状は変わらないとの指摘が挙がっている。教育科学技術部(省に相当)のキム・ムンヒ広報担当官は「昨年、教育公務員法が改正され、必要な場合には公立の教諭も4-5年ごとに異動することなく、同じ学校に勤務し続けることができるようになった。こうした変更を通じ、公立の教諭も所属校に対する愛情や所属意識を持って教育活動に取り組むことを期待する」と話した。

アン・ソクペ記者
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