斜面崩壊対策の予算に関する質問主意書
人工公物である道路は、河川などの自然公物と違って、供用が開始されて以降は一定の安全性が確保されるべきものであり、たとえ予算に制約があったとしても、防災対策を怠ってはならない。
同時に、経済的な面から見ても、斜面崩壊によって道路の利用が不可能になったならば、場合によっては巨額の復旧工事費用が発生するとともに、道路が寸断されることによって地域経済に多大な損失が生じる。したがって、ある程度の予算は手当てしてでも、出来る限り斜面崩壊を事前に防ぐ取組が賢明な政策対応ということになる。
そこで、以下質問する。
一 道路における斜面崩壊を防ぐことを直接、間接に目的とした予算額について、一九九九年度から二〇〇八年度までの一〇年間の推移を示されたい。
二 大雨や台風によって、道路が斜面崩壊の土砂で通行不能になった場合、地域産業や住民生活に多大な影響が及ぶことになるため、事前の斜面崩壊対策が効果的であると考えるが、政府の認識を示されたい。
三 国の財政事情が厳しいため公共事業予算を削減せざるを得ない中にあって、国民の生命と身体、生活を守るための予算とも言うべき斜面崩壊対策の予算について、政府は公共事業予算内での優先順位をどのように考えているか。
右質問する。
参議院議員姫井由美子君提出斜面崩壊対策の予算に関する質問に対する答弁書
一について
お尋ねの「道路における斜面崩壊を防ぐことを直接、間接に目的とした予算額」の意味するところが必ずしも明らかではないが、平成十一年度から平成二十年度までの各年度について、道路における斜面の崩壊、落石、地滑り等(以下「道路における斜面崩壊等」という。)のおそれのある危険箇所に関する防災対策及びそれらの危険箇所を回避して通行するための道路の整備に係る道路整備事業費の予算額を示すと、平成十一年度が約三千七百七億円、平成十二年度が約三千七百八十二億円、平成十三年度が約三千四百九十七億円、平成十四年度が約三千二百七十五億円、平成十五年度が約二千九百九十三億円、平成十六年度が約二千六百六億円、平成十七年度が約二千五百二十八億円、平成十八年度が約二千二億円、平成十九年度が約二千十三億円、平成二十年度が約二千二百四十億円である。
二について
国土交通省としては、大雨等により、道路における斜面崩壊等が発生し、道路が寸断された場合には、迅速な災害対応が困難となるおそれがあるほか、物流及び人の移動に支障が生じることによる当該地域の生産活動の停滞や孤立する集落の発生等、地域産業や地域生活に多大な影響を与えることも想定されることから、道路における斜面崩壊等に関する対策は、効果的な防災対策であると認識している。
三について
お尋ねの「斜面崩壊対策の予算」の意味するところが必ずしも明らかではないが、道路における斜面崩壊等のおそれのある危険箇所に関する防災対策及びそれらの危険箇所を回避して通行するための道路の整備に係る予算の在り方については、その重要性も見極めつつ、国の財政状況や公共事業関係費の規模を勘案した上で、毎年度の予算編成過程において検討すべきものと考えている。
スマートインターチェンジの利用時間に関する質問主意書
国土交通省の制度実施要綱によると、スマートインターチェンジは、我が国の高速自動車国道
における平均インターチェンジ間隔が約一〇キロメートルと、欧米諸国の約四〜五キロメートルに
比べ約二倍長いという現状を踏まえ、高速道路の利便性の向上、地域生活の充実、地域の活性化
に寄与することを目的としている。
一方、スマートインターチェンジの利用時間に関しては、終日利用可能な箇所がある反面、たとえば
六時から二二時までなどと限定されている箇所もある。
こうした状況を踏まえて、以下質問する。
一 利用時間が限定されているスマートインターチェンジは、なぜ終日利用とすることができないのか。
その理由を明らかにされたい。
二 道路が整備されていない地域では、たとえば急患を病院に搬送するといった場合、スマートインター
チェンジが夜中でも利用可能であるとたいへん便利であるが、政府はそういった実情を認識しているか。
三 道路整備の予算が制約されているなかで、山間部などの地域住民の生活の利便性を向上させるため
、政府は、今後スマートインターチェンジの終日利用を原則可能にしていくつもりはないのか。
右質問する。
参議院議員姫井由美子君提出スマートインターチェンジの利用時間に関する質問に対する答弁書
一及び三について
スマートインターチェンジ(地方公共団体が主体となって発意し、高速自動車国道法(昭和三十二年法律
第七十九号)第十一条の二第一項の規定に基づき連結許可を受けた同法第十一条第一号の施設で、
道路整備特別措置法施行規則(昭和三十一年建設省令第十八号)第十三条第二項第三号のETC専用
施設が設置され、同号のETC通行車のみが通行可能なインターチェンジ。
以下「スマートIC」という。)は、高速自動車国道の活用による様々な利便性の向上のため設置されている
ところであるが、その利用時間については、高速自動車国道法第十一条の二第一項の連結許可の申請
(以下単に「連結許可の申請」という。)に際して、地方公共団体、会社(道路整備特別措置法(昭和三十一
年法律第七号)第二条第四項に規定する会社をいう。以下同じ。)及びその他の関係機関で構成される
地区協議会が、採算性等と併せて、検討を行っている。
連結許可の申請が行われた際には、国土交通大臣は、道路整備特別措置法第三十条第一項の規定に
より会社及び独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構に意見を聴いた上で、当該連結許可の申請
に係るスマートICが高速自動車国道法第十一条の二第二項第一号の基準に適合すると判断した場合は、
スマートICの利用時間を限定していたとしても、連結許可をしているところである。
二について
スマートICは、目的地までの走行時間の短縮、スマートIC周辺における土地の有効利用の促進による
地域活性化等に資するとともに、救急搬送や災害発生時の緊急輸送においても、重要な役割を担うもので
あると認識している。
外国人の運転免許取得に関する質問主意書
外国人が日本で運転免許証を取得しようとするとき、母国語で受験できると便利である。
各都道府県の運転免許試験場のなかで、英語での免許試験を実施している試験場は多いと聞くが、
例えば外国人登録者数で首位の中国の人たちの母国語である中国語で実施している試験場は
わずかであると聞いている。 そこで、以下質問する。
一 全国の運転免許試験場について、外国語での試験を実施している試験場の名称と、受験できる
外国語の一覧を示されたい。
二 中国語での試験を実施している試験場が少ない理由について、政府はどのように考えているか。
三 日本が今後多くの外国人を受け入れていくとするならば、外国人が運転免許を取りやすくなるよう
外国語で受験できる試験場を増やすことが望ましいと考えるが、政府の見解を示されたい。
右質問する。
参議院議員姫井由美子君提出外国人の運転免許取得に関する質問に対する答弁書
一について
警察庁としては、自動車等の運転に必要な知識についての免許試験(以下「学科試験」という。)が
外国語により実施されている試験場は次のとおりであると承知している。
(1) 英語により実施している試験場
北海道警察札幌運転免許試験場、同函館運転免許試験場、同旭川運転免許試験場、
同釧路運転免許試験場、同帯広運転免許試験場、同北見運転免許試験場、山形県警察自動車
運転免許試験場、福島県警察福島運転免許センター、同郡山運転免許センター、警視庁府中運転
免許試験場、同鮫洲運転免許試験場、同江東運転免許試験場、埼玉県警察運転免許センター、
千葉県警察千葉運転免許センター、同流山運転免許センター、神奈川県警察自動車運転免許試験場
新潟県警察運転免許センター、同センター長岡支所、同センター上越支所、静岡県警察東部運転免許
センター、同中部運転免許センター、同西部運転免許センター、岐阜県警察岐阜試験場、同多治見
試験場、同東濃試験場、同高山試験場、同西濃運転者講習センター、同中濃運転者講習センター、
愛知県警察運転免許試験場、同東三河運転免許センター、滋賀県警察運転免許課、同課米原分室、
京都府警察自動車運転免許試験場、大阪府警察門真運転免許試験場、同光明池運転免許試験場、
兵庫県警察運転免許試験場、同但馬運転免許センター、岡山県警察岡山県運転免許センター、広島
県警察広島県運転免許センター、同広島県自動車運転免許福山試験場、同広島県自動車運転免許
三次試験場、香川県警察運転免許センター、愛媛県警察愛媛県自動車運転者試験場、福岡県警察福岡
自動車運転免許試験場、同北九州自動車運転免許試験場、同筑豊自動車運転免許試験場、同筑後自動車
運転免許試験場、佐賀県警察運転免許試験場、長崎県警察運転免許試験場、大分県警察運転免許試験場
、宮崎県警察自動車運転免許試験場、同都城運転免許センター、同延岡運転免許センター、鹿児島県警察鹿
児島県運転免許総合試験場及び沖縄県警察自動車運転免許試験場
(2) 英語及び中国語により実施している試験場 宮城県警察宮城県運転免許センター、同石巻運転免許
センター
、同古川運転免許センター、同仙南運転免許センター及び熊本県警察熊本県運転免許センター
(3) 英語、韓国語及び中国語により実施している試験場 徳島県警察運転免許センター
二について
警察庁としては、お尋ねの理由としては、各都道府県警察において、中国語による学科試験を実施するために
必要な翻訳経費や中国語を話せる試験官等の確保が困難であること等が挙げられるものと考えている。
三について
警察庁としては、外国語による学科試験の実施については、各都道府県警察における実情を踏まえて適切に
実施されるべきものと考えている。
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