2012.4.30 05:03

バス会社「陸援隊」白バス営業で過去2度摘発

 負の連鎖が止らない。今度は史上最悪の交通事故が発生した。29日午前4時40分ごろ、群馬県藤岡市の関越自動車道藤岡ジャンクション付近の上り線で、バス会社「陸援隊」(千葉県印西市)の夜間高速バスが防音壁に衝突、大破した。

 事故を起こしたバス会社の「陸援隊」は、「針生エキスプレス」のほかに「飛鳥陸送」という別名称を使用。ネット上のPRなどによると、設立は1997年4月で、ジャャンボタクシー(8~10人)から大型バスまで手配している。しかし、1997年には、東京ディズニーランドや成田空港に無許可で外国人観光客を送り届けた事件に関与したとして、警視庁から針生社長が摘発され、99年にも針生社長と同社の従業員が摘発された。容疑はいずれも道路運送法違反(白バス営業)だった。

 ほかに、運転手の健康状態や乗務記録の記入漏れなど9項目の違反行為でも、当局から行政処分を受けている。

 一方、バスを手配した旅行会社「ハーヴェストホールディングス」(大阪府豊中市)の橋本卓也専務は、29日昼から断続的に記者会見。多数の死傷者が出たことを陳謝し、運行に当たって「法令上の問題はない」と強調した。また同社も2008年、富山での営業区域外運行などを理由に国土交通相から行政処分を受けている。同専務は「その後は法令を順守している」と釈明した。

(紙面から)