鳩山由紀夫首相が地球温暖化対策の目玉に打ち出した途上国支援の枠組み「鳩山イニシアチブ」。その第1弾として、政府は10日、インドネシアに円借款事業を行う文書に同国と署名した。しかし、この事業は自公政権下で昨年始まった継続案件。「前からやっているのに『第1弾』というのは疑問」との声が政府内でも出ている。
「第2次気候変動対策プログラム・ローン」で374億円を限度に円借款を供与。インドネシアが進める植林や地熱発電などを支援し、温暖化緩和への貢献をめざす。首相が10月、インドネシアのユドヨノ大統領に表明していた。
この事業は、福田康夫首相時代の昨年7月に決まった3年間の温暖化対策プログラムの2年目。昨年は福田氏が掲げた「クールアース・パートナーシップ」に基づく「円借款第1弾」として、最大308億円の拠出を決めていた。
自公政権で決まった事業が鳩山イニシアチブの初案件となったことについて、外務省は「事業の内容が趣旨に沿っているため」。鳩山イニシアチブの概要は11日の地球温暖化問題に関する閣僚委員会で決定される見通しだが、これまでも途上国支援に力を入れており、目新しいアイデアはなかなか浮かばない。(五十嵐誠)