May 18, 2010 posted by honowo

【緊急】素通り客はいつも蚊帳の外(1)

テーマ:鉄道
さる5月16日に、京浜急行電鉄ダイヤ改正が行われました。発表が予定日の1週間前ということで、かなり混乱があったようですが、以下に述べるような事情から、発表や対応が遅れたというのが真相だと思われます。

それは、沿線自治体の大田区が、ゴネたからです。おそらく京急でも根回しを行っていたのでしょうが、溝が埋まることなく、ギリギリのタイミングで見切り発車を強いられたものと考えられます。というのも、すでに報じられているとおり、今回の改正で都心と羽田空港とを直通する最速列車である「エアポート快特」が、京急蒲田駅を通過するということで、お金を出したのに何という仕打ちだと逆ギレしたからです。このために、このわがまま自治体はダイヤ改正の前日にこんなばかげた集会を(もちろん税金で)ぶち上げたそうです。

しかし考えてみてください。本来、鉄道の連続立体交差事業は道路特定財源を元手に行われる事業であり、それに伴う鉄道の輸送改善は、鉄道事業者が自腹を切って行っているのです。大田区役所は単に、このプロジェクトに相乗りして、高架脇の側道や駅前広場などの整備を行っているだけなので、鉄道事業者のすることに口をはさむ筋合いはないのです。対羽田空港輸送に社運をかけている京急としては、日中12分間隔でモノレール浜松町駅から羽田空港第1ビル駅までたったの16分で結ぶ、東京モノレールの空港快速にSPEEDスピードで対抗するためにも、安易に奴等の不平・不満に妥協するわけにはいかないのです。

それに京急蒲田駅は、(本線系統の)快特停車駅ではありますが、乗降客数が飛び抜けて多いというわけではないのです。こちらをご覧いただければおわかりかと存じますが、2008年度の時点で京急蒲田駅の乗降客数は横須賀中央以北の快特停車駅で最少、日中に普通車とエアポート急行しか停車しない、近隣の青物横丁駅や平和島駅と同程度でしかありません。このことからも、京急蒲田駅は空港アクセスのための最速達列車をわざわざ停車させるだけの価値がないことが伺えます。

京急電鉄におきましては、何が利用客や公共の利益にかなうかを踏まえて、今後の事業を行っていただきたいものです。このような交通がらみの公共事業において、地元住民や地権者の私利私益ばかりが反映され、肝心の、本来多数派で、受益者であるはずの、そこをできるだけ速く素通りしたい利用者に発言の機会がほとんど与えられないのは、きわめて遺憾です。筆者といたしましては、くれぐれもかの悪名高い戸塚駅西口や、下北沢や、杉並三駅の轍を踏まないよう、切に願います。

なお、今回は画像を掲載しておりません。後日、現地取材して、今回の内容を検証する際に掲載します。

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