May 31, 2010 posted by honowo

場所はあるのに止められない、走れない(1)

テーマ:自転車
みなさんこんばんは。
鉄道ネタが続きましたので、ひさびさに自転車ネタを取りあげます。

数ある自治体の中でもとりわけ徹底した自転車排除政策(注1)を強行し続ける某自治体は今月、市中心部の再開発地区ほぼ全域を自転車放置禁止区域に指定しやがりました。いくら今年、国際会議のホスティングを控えているからとはいえ、これだけ人通りが少なく、無駄に歩道が広いのに、
$サクサクいこうよ!
過剰設備の歩道だけでなく公開空地や未使用の更地だっていっぱいあるのに、今回の放置禁止区域の指定に伴って整備された駐輪場は地区内の2駅周辺のたった3箇所(注3)! これではあのイベント会場にもこのショッピングモールにも自転車で行けません。一方、自動車の駐車場はというと、民営のも含めてこれだけあります。市当局がマイカーでの来訪を控えるよう呼びかけているというのに、おかしい話ですよね。

で、その新設された駐輪場のひとつを見に行きました(注4)。入口はというと、
$サクサクいこうよ!

$サクサクいこうよ!
例によって、歩行者と自転車との動線が分離されておらず、下車しての入出庫を強いられます。

中に入っても、
$サクサクいこうよ!

$サクサクいこうよ!
決して広いとは言えず、路線バスのネットワークすら粗い当地区に来たひには、何百メートルもの距離を歩かされることを強いられます。ただ、繰り返し申し上げるように、歩道の幅だけはばかげているほど広いですが。

このような政策の帰結として当然のことですが、この街の至る所に放置自転車が止められています。いや、そうすることを強いられています。
$サクサクいこうよ!
これは別の駅の周辺の歩道に設けられた民営駐輪場です。この街よりも明らかに土地に余裕がないのに、旺盛な駐輪需要に応えて設置を認めているのですから、行政の意志ひとつでこの施策を撤回させ、「歩行者の安全と、街の景観(注5)」ばかりにとらわれることのない交通政策を実施させることは決して不可能ではないはずです。

本稿の最後に、この写真をご覧ください。
$サクサクいこうよ!
こんなスローガンを掲げてますが、以上に述べたとおり、ほかならぬ行政自身の怠慢が放置自転車を産み出しているのです。土地は十分にあるのですから、そのうちの一部を自転車にシェアしたところで、歩行者の安全や通行を妨げることはないはずです。当局におかれましては、ぜひともご一考願います。


(注1) たとえば、この記事とか、この記事とか
(注2) 建築基準法第五十九条の二など
(注3) 新高島駅の駐輪場は既設
(注4) 残りは単なるアスファルト舗装の吹きっさらしなので論外
(注5) 冒頭のリンク参照。前者は過剰に優遇されてますし、後者は侵害されているとは思えず、いずれにしても自転車利用者の利益を完全に踏みにじった言いぐさですよね。
May 25, 2010 posted by honowo

横浜市交の全席優先席(2)

テーマ:鉄道
みなさんこんばんは。
だいぶ間隔が開いてしまいましたが、前々回のつづきを書かせていただきます。

さて、わたしが考えたソリューションは、着席客に追加料金を賦課するというものです。
そもそも、自家用車や高速バス、航空機などにおいては、席に座るのが原則であり、立って乗るということ自体、安全性の観点から許されていません(注1)。そのため、せっかく金を払って乗ったのに座席にありつけない可能性を有する電車やバスは、そのような場合に十分に顧客を満足させることができず、その点においても競争上不利な立場にあるわけです。現に座席指定特急や平日夕刻以降の通勤ライナーでは着席サービスを提供するために追加料金をとり、しかもそれが繁盛しているわけです。

そこで、この施策をどう実装させるかといいますと、この本の第3章で提案されているように、JRのサハ204形6扉車のように折りたたみ座席を装備し、

$サクサクいこうよ!
"The interior of lower level cabin of JR East E531 series Green Car (Car no. Saro E530-20) (Taken at Tsuchiura Station, Joban Line)"
the image courtesy of (c) 2007 Kiku-zou under CC BY-SA 3.0 unported.


JR東日本の中距離電車グリーン車のように、カード形の料金券をタッチさせることで座席のロックを解除させるという方法が考えられます。さらに付け足せば、そのプレミアム料金は遠距離逓減でない純粋な対距離料金とすることで、すぐに席を譲る人の負担を軽くすることで、お年寄りや体の不自由な人に席を譲るインセンティヴを与えさせることが望ましいです。また、そのように譲られる人たちにも運賃以外の応分の対価を負担させることで、鉄道事業者は過度に優遇されているこのような旅客からも相応の収入を得ることができます。あわよくば、ラッシュに苦しむ通勤客に対して、上記の料金を原資として運賃の値下げという形で利益を還元できるかもしれません。

$サクサクいこうよ!-TS3J0440.jpg

もちろん、「優先席」という設定は全廃していただいて、すべての乗客が平等に座席にアクセスできるようにしなければなりません。また、車内どこからでも、通話を含めて自由に携帯電話を利用できるようにすることで、運転中の操作が禁止されている(注2)自家交通の利用者に対して、公共交通に呼び戻すよう動機づける必要があります。心臓ペースメーカー云々という問題がありますが、それについては電話機とペースメーカーが密着するような極端なケースを考えない限り、あり得ませんし、そういったアナウンスは即刻やめていただきたいと筆者は考えます。

横浜市長さん、いますぐとは言いません。次回の車両更新の際にこの提案を考えていただけませんでしょうか?

(注1) たとえば航空法施行規則 第百六十四条の十五 第五号とか

(注2) 道路交通法 第七十一条 第五の五号

May 18, 2010 posted by honowo

【緊急】素通り客はいつも蚊帳の外(1)

テーマ:鉄道
さる5月16日に、京浜急行電鉄ダイヤ改正が行われました。発表が予定日の1週間前ということで、かなり混乱があったようですが、以下に述べるような事情から、発表や対応が遅れたというのが真相だと思われます。

それは、沿線自治体の大田区が、ゴネたからです。おそらく京急でも根回しを行っていたのでしょうが、溝が埋まることなく、ギリギリのタイミングで見切り発車を強いられたものと考えられます。というのも、すでに報じられているとおり、今回の改正で都心と羽田空港とを直通する最速列車である「エアポート快特」が、京急蒲田駅を通過するということで、お金を出したのに何という仕打ちだと逆ギレしたからです。このために、このわがまま自治体はダイヤ改正の前日にこんなばかげた集会を(もちろん税金で)ぶち上げたそうです。

しかし考えてみてください。本来、鉄道の連続立体交差事業は道路特定財源を元手に行われる事業であり、それに伴う鉄道の輸送改善は、鉄道事業者が自腹を切って行っているのです。大田区役所は単に、このプロジェクトに相乗りして、高架脇の側道や駅前広場などの整備を行っているだけなので、鉄道事業者のすることに口をはさむ筋合いはないのです。対羽田空港輸送に社運をかけている京急としては、日中12分間隔でモノレール浜松町駅から羽田空港第1ビル駅までたったの16分で結ぶ、東京モノレールの空港快速にSPEEDスピードで対抗するためにも、安易に奴等の不平・不満に妥協するわけにはいかないのです。

それに京急蒲田駅は、(本線系統の)快特停車駅ではありますが、乗降客数が飛び抜けて多いというわけではないのです。こちらをご覧いただければおわかりかと存じますが、2008年度の時点で京急蒲田駅の乗降客数は横須賀中央以北の快特停車駅で最少、日中に普通車とエアポート急行しか停車しない、近隣の青物横丁駅や平和島駅と同程度でしかありません。このことからも、京急蒲田駅は空港アクセスのための最速達列車をわざわざ停車させるだけの価値がないことが伺えます。

京急電鉄におきましては、何が利用客や公共の利益にかなうかを踏まえて、今後の事業を行っていただきたいものです。このような交通がらみの公共事業において、地元住民や地権者の私利私益ばかりが反映され、肝心の、本来多数派で、受益者であるはずの、そこをできるだけ速く素通りしたい利用者に発言の機会がほとんど与えられないのは、きわめて遺憾です。筆者といたしましては、くれぐれもかの悪名高い戸塚駅西口や、下北沢や、杉並三駅の轍を踏まないよう、切に願います。

なお、今回は画像を掲載しておりません。後日、現地取材して、今回の内容を検証する際に掲載します。
May 13, 2010 posted by honowo

横浜市交の全席優先席(1)

テーマ:鉄道
みなさんこんばんは。
今回は(も?)、筆者がつねづね不満に思っていることを書かせていただきます。

サクサクいこうよ!-TS3J0439.jpg
この掲示にあるように、横浜市営地下鉄では、車内のすべての座席をお年寄りや障がい者などの弱者への優先席としています。

しかし、そこまでしてそのような弱者に事業者が媚びる必要はあるのでしょうか。そもそも、こういった方々の多くは、ほとんどの場合、自動車を所有・運転することができず、公共交通の利用を余儀なくされる人たちです。つまり、黙っていても商品を買ってくれる上に、客単価が低いので上客とも言えないわけです。

一方、働き盛りの健常者の多くは運転免許と自家用車を所持しており、公共交通を必ずしも必要とはしません。また、当然のことながら、前者に比べてより裕福だとも考えられます。したがって、彼らの支出を、交通事業者に仕向けるような積極的な措置を講じなければ、自らの長期的な存続は図れません。こういう努力も理解できますが、彼らのためのサービス改善を行うことこそ王道ではないのでしょうか。つまり、無料、もしくはきわめて低廉な対価で乗車する客に、正規の運賃(定期運賃も含みますが)を負担させられている健常者が席を譲らせられるのは、どう考えても不条理ですし、必ず座れて、好きなタイミングで好きな場所に行ける自家交通への逸走を招きかねません。

次回以降は、今回の議論の方向性を元に、大多数の利用客の顧客満足度の向上と事業者の増収とを同時に実現しうる秘策を提案する予定です。それでは、おやすみなさい。
May 05, 2010 posted by honowo

横浜駅横須賀線ホーム拡幅

テーマ:鉄道
みなさんこんにちは。
大型連休はきょうで終わりですが、みなさん楽しまれましたか?

さて、去る4月25日に横浜駅の横須賀線ホームが拡幅されましたので、ようすを見に行きました。
$サクサクいこうよ!
従来と比べて倍以上の幅になり、混雑時も危険を感じなくなり、スムーズに進めるようになりましたが、ご覧のようにまだまだ仮設状態で、階段など、コンコースへの通路の幅は狭いままです。

$サクサクいこうよ!
中央南改札へ向かう通路と、
$サクサクいこうよ!
みなみ通路へ向かう通路は拡幅工事が進行中であり、
$サクサクいこうよ!
中央通路北側コンコースは将来の階段等の拡幅に対応すべく、延長工事を行っているようですが、
$サクサクいこうよ!
きた通路側コンコースにはその気配さえありません。
もっとも、この場合、
$サクサクいこうよ!
10番(久里浜方面)ホームが南側にオフセットされましたので、そちら側の利用客が減るという読みで放置したのでしょうが、ホームへのアクセスの混雑は当面解消されそうにありません。

この工事が完成したあかつきには、何度も書きますが、ぜひともナンセンスなエスカレーターの下り運転を全廃し、同時に運転速度を法定の上限まで上昇させ、バリアフリー対策の必要な乗客をすべて、エレベーター(注)にしていただきたいものです。
一部ののろまな乗客のために圧倒的多数派の急いでいる通勤・通勤客を犠牲にするのはやめていただきたいですし、鉄道自体の自家用車に対する競争力も損ねます。

(注) 横浜駅ではJR線各ホームから中央自由通路北側コンコースまで完備

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