メェメェくんコラム

【vol.5】『日産スタジアム』と『横浜国際』

FIFAクラブワールドチャンピオンシップトヨタカップジャパン2005や FIFAワールドカップ・アジアの最終予選(vsイラン)などのFIFA主催試合では試合会場の表記として、ネーミングライツの呼称を使わず「横浜国際総合競技場」が使用されました。

FIFAの規定で「FIFAオフィシャルパートナー企業名のみが表示可能」となっているためです。その他の企業名の露出については、厳しくマスキングが求められます。「競技場内の施設看板から周辺の案内等までの遮蔽(しゃへい)は結構大変です。」と横浜市環境創造局の五百木氏はおっしゃっています。そもそも、冠スポンサーの「トヨタ」の競合企業である「日産」の名のついたスタジアム名でトヨタカップの試合を行うことは、まず考えられませんが。

この問題は日本だけでなく、次回のドイツワールドカップでも、もちろん生じてきます。日本代表FW高原のハンブルガーSVの本拠地ハンブルクのAOLアレナ(ITサービス)、世界最新のサッカー専用スタジアムでW杯オープニングマッチが予定されるミュンヘンのアリアンツアレナ(保険)などネーミングライツが採用されている数々の競技場での試合が予定され、FIFAはスタジアム表記に関して指導を行っています。

米国に比べればまだまだでありますが、欧州のプロスポーツ(特にサッカー)でもかなりスタジアム命名権は浸透してきています。ドイツやイングランドでは既に定着し、サポーターも馴染んできている感があります。最近ではイタリアやスペインでもネーミングライツの動きが出てきています。スペインのクラブ、オサスナの本拠地「エル・サダル」では、なんと自治政府が命名権を購入し(!)「レイノ・デ・ナバラ(ナバラ王国)」となるいうニュースも出てきた程です。

少し話しはそれましたが、国際的なサッカーの試合が行われる大規模なスタジアムにおけるネーミングライツ導入は、スポンサーの利害が絡むことから、呼称が使われない場合も考慮する必要があるようです。スタジアム呼称の使い分けということでは、各メディアの方々も表記に気をつけなければならないですね。(2006/01/27)