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高速バス事故 運行に無理はなかったか 04月30日(月)

 大型連休が始まったばかりの祝日に、大きな交通事故が起きてしまった。

 群馬県藤岡市の関越自動車道で、千葉県の会社が運行する高速バスが防音壁に衝突して大破。乗客と運転手46人が死傷した。

 車体の半分が道路の外に飛び出していた。ブレーキをかけた痕はなく、運転手は「居眠りをしていた」と話しているという。

 書き入れ時の連休を迎え、勤務が過密になっていなかったか。運転する前に十分に体調を確認していたのか。事故を招いた背景をよく調べてもらいたい。

 各地のバス会社は、乗客を危険にさらすことのないよう、運行計画を再点検してほしい。

 高速バスは、28日夜に石川県金沢市を出発し、千葉県の東京ディズニーランドに向かっていた。運転手は27日に千葉を出て、28日朝に金沢に着いたばかり。再びハンドルを握るまで、睡眠時間を確保できたのだろうか。

 北安曇郡松川村のバス会社が2007年に、大阪府吹田市で起こしたスキーバスの事故を思い出す。過労状態にあった運転手が居眠り運転し、乗客ら26人がけがをした。同乗していた運転手の弟が亡くなっている。

 運転の前日に1時間しか寝ていなかった。くも膜下出血で意識を失った。糖尿病で低血糖状態になり意識が混濁した。風邪薬を飲んで意識障害が起きた…。運転手の疲労や病気が原因とみられるバス事故は、各地で起きている。

 乗客の安全は、運転手の体調にかかっている。健康診断で異常が見つからなかったとしても、日々の点呼の際に、正常な運転が可能かどうかを、きちんと確認することが欠かせない。

 バス会社の管理者は、命を預かる重責を再認識すべきだ。バスツアーを企画する旅行会社にも、事前に運行の安全性を確かめておく姿勢が求められる。

 規制緩和に伴い、バス会社は高速道路を利用した長距離運行に競って乗り出し、料金を格安にし、デラックスバスを導入するなど、激しい競争を展開している。経営の効率化を図ることは理解できるけれど、バスの稼働率を上げ、人件費を切り詰めた結果、事故を招いたのでは元も子もない。

 バスに限らない。同じことは、タクシー、鉄道、航空の各社にも言える。乗務員の勤務形態に余裕はあるか。車体や機体の点検・整備は十分にできているか。乗客の安全を最優先するよう、あらためて求めておく。

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