ペン&ぺん:震災がれきの拙速 /福岡
毎日新聞 2012年04月30日 地方版
北九州市が震災がれきの受け入れへ前向きだ。市民も「助け合い」を肯定した賛成が目立つ。
国は受け入れを後押しし、マスコミへの政府広報にも力を入れる。がれき処理単価が阪神大震災時の2〜3倍になるのは放射能検査もあるためだが、産廃業者の意欲は湧く。全て税金である。
しかし、こうした動きに疑問を投げかけるのが市民団体「北九州コドモのミライ」代表の白水弘美さん(38)だ。
広域処理分は、がれき総量の2割足らず。それが復興の決定的妨げかと問う。宮城県も汚染を免れていないのに、ガンマ線しか測れない計測器で空間線量の値が小さいからと「安心」を誘うのもどうだろう。焼却時に使うバグフィルターのメーカーは放射性物質の除去を保証していないし、セシウム以外の基準値は定められていない−−と不信を募らせている。