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経済
メガネのレンズ、錆びにくい刃物…福井の中小企業が原子力技術を活用
2012.4.30 21:46
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その1件が、国産メガネフレームの9割超を出荷する福井県鯖江市で、若吉光学工業が実用化に取り組んでいる環境配慮型の「デモレンズ」だ。デモレンズはメガネのフレームに装着される展示用レンズで、メガネが売れると廃棄処分になる。
このため、若吉光学では一般的なアクリル樹脂素材から、廃棄時に二酸化炭素の排出を抑制できるバイオプラスチック素材への転換を模索している。弱点だった「夏場の運搬車内温度で変形する」(若吉耕央社長)耐熱性の問題は、JAEAが特許を持つ電子線照射技術で解消できることがわかった。
電子線をレンズに照射して分子構造を変質させることで、透明性を保ちながら耐熱性を高めることができたからだ。実用化には、レンズを重ねて電子線を照射すると白っぽくなる課題があるが、若吉社長は「工夫して商品化したい」と意気込む。
成果展開事業ではすでに、軽くてさびにくいチタン製刃物(武生特殊鋼材、越前市)など、数件が商品化。清川メッキ工業(福井市)の清川肇社長は「ものづくりを衰退させないため、レベルの高い原子力技術を使わない手はない」と力説する。
東日本大震災を受け、同事業は平成23年度から、一般部門とは別に「震災対応部門」を新設。精密測定器製造の山田技研(福井市)が放射線汚染状況の遠隔監視システムの開発を進めている。
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