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画期的ディスプレイ“消費電力半分”4月30日 6時51分
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消費電力をこれまでの半分に抑えながら画質も高めた画期的な液晶ディスプレイの開発に、慶応大学の研究グループが成功しました。「薄型テレビ」は、かつては「日本のお家芸」と言われたものの、韓国勢を相手に苦戦していることから、その巻き返しにつながればと期待されています。
新しい液晶ディスプレイを開発したのは、慶応大学の小池康博教授の研究グループです。
液晶ディスプレイは、「バックライト」という部品から出る光の向きや色を何重ものフィルムによって調整しながら映像を映し出す仕組みで、光の半分がフィルムを通過する際、熱になって失われ暗くなることが課題でした。
小池教授は、独自のプラスチックを使って、決められた方向に光を出す「高性能なバックライト」を開発し、従来のフィルムを減らした構造を作り出しました。その結果、消費電力を半分に抑え、例えば37インチのテレビなら、消費電力がこれまでの半分の100ワット程度で済むということです。
また、鮮やかに映し出す「特殊なフィルム」を開発し、画質を高めることもできたということです。「薄型テレビ」は、かつては「日本のお家芸」と言われ、アメリカの調査会社、ディスプレイサーチによりますと、7年前は世界市場の売り上げの半数近くを占めましたが、去年はおよそ30%に落ち込み、国別でも首位を初めて韓国に奪われました。
小池教授は、「液晶テレビの世界市場は10兆円とも言われ、今回の技術が日本の巻き返しにつながれば」と話しています。小池教授は、すでに国内の10社を超えるメーカーと製品化を進めているということです。
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