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無知な人を騙す輩から身を守る唯一の方法

脱原発詐欺:横行…炭鉱や太陽光への投資誘う
 福島第1原発事故以降の脱原発機運の高まりに乗じ、石炭採掘権の購入や太陽光事業への投資を誘う詐欺が相次いでいる。経済産業省や国民生活センターは業者名を公表するなどし、「時流に乗ったセールスは詐欺の常とう手段」と注意を呼びかけている。
毎日新聞 2012年04月28日
「詐欺という太陽の下には、実は何も新しいものはなく、すべての手口は、古くからある詐欺の新しい形に過ぎない」(詐欺とペテンの大百科)とはいうものの、詐欺師の嗅覚にはいつも驚かされる。日々騙しのテクニックを向上させて人間に取り入ろうとし、根絶不可であるという点で悪質なウイルスのようなものだ。詐欺は当然詐欺師が悪いことは言うまでもないが、回避できる余地があったにもかかわらず甘言に釣られて騙されてしまったとしたら、それは騙された方にも責任があると言わざるを得ない。
では、詐欺師に騙されて泣き寝入りしないためにはどうしたらいいのだろうか。


答えは一つ。お金のことだけに限らないが、多面的に物事を観察し本質を理解する力を身につけるしかない。これを「リテラシー」ということもある。お金について言えば「金融リテラシー」という言い方をし「必要な金融の知識や情報を収集・咀嚼し、金融を主体的に判断できる能力」のことを言う。
金融リテラシーとは「楽して儲ける」ための知識で何だか胡散臭いものである、と言う人がいる。これは致命的な勘違いであり、こういう考えの人たちが実は騙されやすいのかもしれない。
金融リテラシーとは、「楽して儲ける」方法は存在しないこと、また一方で油断すると簡単にぼったくられるという現実を知ることである。

リテラシーとは物事を難しく考えることではない。多面的に物事を観察して本質を知ることである。例として、池上彰氏の本から引用する。
私たちが「銀行からお金を借りるときに金利を支払う」というのはどういうことでしょうか。これはお金の「レンタル料」を支払うということです。レンタルビデオ店でビデオを借りる時には、1泊2日で300円ほど払いますよね。この300円というのは、借りたビデオを一晩自由に使うためのお金です。銀行からお金を借りるときに金利を払うということは、そのお金を一定期間自由に使うためのレンタル料を払うということなのです。ですから、期日までに「返却ポスト」に返すということさえ守れば、そのお金を何のために使おうと自由です。期日までに返さないと「延滞料」を支払わなければならないのも、レンタルビデオと同じですね。
ところで、ビデオ作品というのは、定価で買おうとすると数千円前後のものがほとんどです。でもそれをレンタルするのに、一日あたり300円も払わなくてはならない。これは金利にあてはめて考えると、とてつもなく高い金利を取られていることになります。レンタカーも同じです。定価100万円の自動車を一日借りると1万円ということは、年間で考えれば、365万円。自動車そのものの価格の3倍以上も支払わなくてはいけない。年利300%です。
知らないと損する 池上彰のお金の学校より
ビデオや車を借りてレンタル料を支払うことと銀行からお金を借りて金利を払うことは、借りる対象が物かお金かの違いであるだけで、レンタル料の支払いであるという事実には変わりはない。とても分かりやすい説明だと思う。
ビデオレンタルで一泊二日で300円というと直感的に安いように感じるが、見方を変えると「超高利」という結論にもなり得る。こうした思考は「買うべきか借りるべきか(ex.家など)」という問題解決のヒントにもなる。
何が正解であるかは人によって異なるが、選択の幅を持つことと、選択肢それぞれの価値を前もって認識しておくことは大切だ。大抵、答えは一つではないことに気づく。価値が分かる人には詐欺師が付け入る隙間が存在しない。

多面的に物を見る、もうひとつの例として堀江さんの著作から引用する。堀江さんは簿記の学習を通じてお金の見方がクリアになったと述べている。
僕の場合、一番クリアになったのは貯金に対する考え方です。・・要するに貯金したお金というのは、銀行や郵便局が個人から借りているわけです。だから銀行のB/Sをみると、定期預金や普通預金は「負債の部」に入っているのです。つまり僕たちは、銀行にお金を預けているのではなくて、銀行にお金を貸し付けているわけです。「預けている」という発想から「貸している」という発想に切り替えなければならないことに、気づいたわけです。
「おお、なるほど。そういうことか」と僕は納得しました。それが分かった瞬間にお金の流れがすごくクリアになりました。そのときはうれしかったですね。
稼ぐが勝ち ゼロから100億、ボクのやり方
堀江さんの場合、クリアになりすぎたのが問題だったのかもしれない。
銀行に「貸している」自分のお金を引き出すのに手数料を取られる事が納得できない理由もここにある。引出し額が1000円だろうが10万円だろうが固定額で手数料がかかるのはおかしいと思うから、できるだけ手数料は払わないようにしている。

重要なことなのでもう一度書く。
「金融リテラシーとは、「楽して儲ける」方法は存在しないこと、また一方で油断すると簡単にぼったくられるという現実を知ることである。
金融リテラシーを単に金融商品の知識を習得することと説く"専門家"にも気をつけたいところ。そんな自称専門家に騙されないために金融リテラシーが重要なのである。
報道されるような詐欺事件だけでなく、世の中には無知な人を巧妙に誘因して金を巻き上げようとする輩が多数存在する。それは著名な優良企業だとされる会社とて例外ではない。

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