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自民が憲法改正草案 「天皇が元首」「国防軍」明記

2012/4/27 21:16
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 自民党は27日、7年ぶりとなる新たな憲法改正草案を決定した。自衛隊を「国防軍」と改め、現行憲法が解釈で禁じる集団的自衛権の行使を容認。天皇を「日本国の元首」と位置づけ、日の丸や君が代の尊重を義務づけた。次期衆院選をにらみ保守色を強めて民主党との対立軸を明確にした。

自民党憲法改正案を発表する谷垣総裁(27日、党本部)
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自民党憲法改正案を発表する谷垣総裁(27日、党本部)

 改憲案は、日本が連合国の占領統治から独立を回復したサンフランシスコ講和条約の発効60年にあわせた。2005年にまとめた新憲法草案を改定する形をとった。

 とりわけ保守志向が目立つのは安全保障分野だ。党憲法改正推進本部の当初案では05年と同様に「自衛軍」の名称を引き継いだが、国家防衛に従事する自衛隊を尊重すべきだとの意見を踏まえ「国防軍」と改めた。9条1項では「戦争放棄」を残す一方で「自衛権の発動を妨げるものではない」と明記した。

 集団的自衛権についても、自民党は「何らの制約もなく発動を行使できる」と説明している。政府は独立国として保有するが憲法上行使できないとの立場をとってきた。自民党の改憲案はテロや大規模災害時に首相の権限を強める緊急事態条項も新設した。

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 天皇を規定する第1章では天皇を「日本国の元首」と位置づけ、「国旗は日章旗、国歌は君が代」とし尊重義務も課した。「保守」を鮮明にしたのは、前回は議論に参加した宮沢喜一元首相ら護憲派の重鎮やベテラン議員がこの間に亡くなったり、党内の影響力が弱まったりした事情もある。

 憲法改正に向けた道は険しい。現行憲法では衆参両院の「総議員の3分の2以上」の賛成で憲法改正案を発議し、国民投票で過半数の賛成を得る必要がある。改憲に積極的なのはみんなの党や、たちあがれ日本など中小政党の一部にとどまり、民主党は具体的な議論には手付かずの状態だ。

 谷垣禎一総裁も国会提出については「日本は改憲の経験がない。へたに扱って失敗を重ねるのはよくない」と慎重だ。推進本部長の保利耕輔元政調会長は改憲要件を定めた現行の96条の見直しを先行させる可能性を示した。改憲要件の緩和は、橋下徹大阪市長が代表を務める「大阪維新の会」なども主張している。

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