説明板が設置される第32軍司令部壕の第1坑口付近。坑口は残っていないが写真中央のトーチカ跡周辺に建てる予定=23日、那覇市の首里城公園内
「沖縄戦全体の意味を検討しなかった」。県議会2月定例会で、下地寛環境生活部長が答弁したことで明らかになった第32軍司令部壕説明板の内容に関する県の検討姿勢。「慰安婦」や日本軍による住民虐殺の文言削除で、丁寧な検証が行われなかったことに県内からは反発の声が広がった。文言削除を求めるメールなどが影響したのではとの指摘も。当時、32軍壕に多くの女性がいたことに関し複数の証言もあり、沖縄戦研究者は「事実のねじ曲げだ」「クレームをつけた側の思惑通り」などと批判した。
鉄血勤皇師範隊として沖縄戦に動員された元学徒は、第32軍司令部壕に多くの女性がいたと証言する。
当時、鉄血勤皇師範隊の情報宣伝隊(千早隊)に所属していた元県知事の大田昌秀さん(86)は「どうして戦場の壕にこんなに多くの女性がいるのか」と不思議に思ったという。女性たちは「朝鮮ピー」という蔑称で呼ばれていたが、大田さんは「当時は意味が分からなかった」と振り返る。
県が第32軍司令部壕説明板設置検討委員会がまとめた文案から「慰安婦」などの記述を削除したことに対して大田さんは「とんでもない」と憤慨。「戦争を知らない世代が増えているからこそ、事実を事実として残す努力が必要だ。相反する事象があればしっかり調べるのが責務だ」とし、丁寧な検証をせず文言削除に踏み切った県の姿勢を批判する。
渡久山朝章さん(84)も、壕の中にいる女性たちが「朝鮮ピー」と呼ばれていたことを記憶している。渡久山さんが司令部壕の坑道で作業をしていた時、半袖、半ズボンの防暑服を着た4、5人の女性がいたという。「兵隊は女性たちにひわいな言葉を掛けていた」という。
休憩中に話をした1人が日本語で名字を名乗ったが県出身か本土出身か判断はつかなかったという。日本軍が司令部壕を放棄し、砲弾と雨にさらされながら渡久山さんらが南下した際、同じく戦地をさまよう見覚えのある女性らと出くわした。「第32軍壕にいた女性たちだと思う。互いに立ち止まり、見詰め合ったことを覚えている」と振り返った。
元衆院議員の古堅実吉さん(82)も「壕の中にたくさんの女性がいた」と話すが、女性たちの素性は分からなかったという。
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