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“マイナンバー法案” 審議入りへ
4月30日 6時51分

“マイナンバー法案” 審議入りへ
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国民一人一人に番号を割り振る「共通番号制度」を導入するのに必要な、いわゆる「マイナンバー法案」の国会での審議が大型連休明けにも始まりますが、自民党は個人情報を保護するための対応を十分に取るなど法案の修正を求める姿勢で、議論の焦点となりそうです。

共通番号制度を導入するためのマイナンバー法案には、市町村が国民一人一人に番号を定め、年金の受け取りや納税など、社会保障や税に関する手続きに利用する一方、情報の流出を防ぐため学識経験者らによる「第三者機関」を新設して、自治体の管理体制を監視することなどが盛り込まれています。政府は社会保障制度の充実や税の適正な徴収を図るため、3年後の平成27年からの制度導入を目指しており、今月26日には栃木県で実施主体となる市町村の担当者らを対象にした説明会を開くなど、準備を進めています。
この法案の国会での審議は大型連休明けにも始まる見通しですが、自民党は、今の法案では個人情報の保護や国民の利便性が十分に確保されていないうえ、費用に見合う効果が明らかではないとして、こうした点を中心に法案の修正を求めていく姿勢です。
このため今後の審議では、個人情報に触れることのできる行政職員をどう制限するかや、システム運用などにかかる費用の抑制、それに国民の利便性向上につながるような民間企業との連携などが焦点となりそうです。

制度導入のねらいは

政府が「マイナンバー」と名付けたこの制度は、国民一人一人に番号を割りふる仕組みです。
政府は制度導入のねらいとして、「公平な税の負担や、きめ細かい社会保障の給付を図ること」を挙げています。
現在は、年金を受け取る際に必要な番号や住民票コードなどは別々ですが、共通の番号の制度があれば、所得や、年金などの保険料の支払い額、それに受けている公的サービスを一元的に把握できます。これによって、社会保障の給付漏れや税の徴収漏れを防ぐほか、公的サービスに関係する手続きもこれまでより簡素化できるということです。
例えば、医療費が自己負担の上限を超えた場合、現在はいったん窓口で支払い、後に払い戻しを受けなければなりませんが、こうした手続きが不要になります。
また、消費税率の引き上げで焦点の一つになっている、低所得者に対するいわゆる「逆進性」対策を行う場合でも、共通番号があれば個人の所得を把握できるようになるので、減税や、現金を支給する「給付付き税額控除」も実施できるようになるということです。
法案が成立すれば、政府は、再来年=平成26年の6月以降、番号の割りふりを始める予定です。
実施の主体は、各市町村で、翌平成27年から運用を開始したいとしています。

“個人情報の保護”などが課題に

大きな課題が「個人情報の保護」です。
内閣府が去年11月に行った調査では、「プライバシーの侵害」や「情報の不正利用」など、今回の制度に何らかの懸念を感じていると答えた人が全体の86%に上りました。
また、共通番号は、本人の同意がなくても日本に住民票がある人であれば全員に自動的に付けられることから、いわば勝手に番号が付けられることに反対する声のほか、そもそも、制度についての理解が進んでいないという指摘もあります。

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