北朝鮮、3回目はウラン型で核実験へ=IAEA元事務次長

2012年 04月 29日 09:30 JST
 
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[ウィーン 27日 ロイター] 3回目の核実験を強行するとみられる北朝鮮。国際原子力機関(IAEA)の元事務次長であるオリ・ヘイノネン氏は27日、北朝鮮は今回、過去2回で使ったプルトニウム型ではなく、初めて高濃縮ウラン型を使用するとの見方を示した。

もしこれが現実となれば、北朝鮮は以前考えられていたより多くの兵器用核物質を保有していることになる。北朝鮮と中国の両政府に近い関係筋は先に、北朝鮮が核実験の準備をほぼ終えており、近く核実験を行うことが可能だとの認識を明らかにしている。

ヘイノネン氏は、ロイターに宛てた資料で、2010年に訪朝した米ロスアラモス国立研究所のヘッカー元所長が目にしたタイプのウラン濃縮施設は、簡単に高濃縮ウラン製造用に変更できると指摘。「(3回目の核実験は)北朝鮮が十分な量の高濃縮ウランの製造に成功し、核爆弾の設計図も持っていることを表す」と警戒感を示した。

プルトニウム備蓄に限りがある北朝鮮は、ウラン濃縮に取り組んでいることを2年前に明らかにしている。ヘイノネン氏は「プルトニウム型を作れた事実を踏まえれば、ウラン型も作れるはずだ」と語る。

ヘッカー元所長によれば、北朝鮮はプルトニウムを24─42キロ備蓄しており、この量は、核爆弾4─8個分に相当する。しかし、寧辺のプルトニウム施設は6カ国協議での合意に基づいて運転を停止している。

米カーネギー国際平和財団のジェームズ・アクトン氏は「北朝鮮のプルトニウム備蓄は、わずか一握りの兵器製造にしか足りない。プルトニウム製造施設の老朽化を考えれば、それ以上増やすのは時間がかかり、人目も引く」と指摘。対照的に、ウラン濃縮施設は「北朝鮮の核備蓄を大幅に増やす」能力があるようだと述べた。

ただ、IAEA査察団が国外に退去させられたため、北朝鮮がウラン濃縮プログラムをどの程度進めたかは核専門家でも評価が難しいのが実情。

ヘイノネン氏は、北朝鮮がウラン濃縮施設の稼働に成功してる場合、少なくとも3.5トンの低濃縮ウランを持っているはずだと分析。年間1.8トンの低濃縮ウランを核兵器転用可能な高濃縮ウラン40キロにするため、さらに1000機以上の遠心分離機を設置する可能性もあるという。

複数の韓国紙は、韓国当局者の話として、早ければ2週間以内に核実験が実施される可能性があると報じている。

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4月27日、3回目の核実験を強行するとみられる北朝鮮。国際原子力機関(IAEA)の元事務次長であるオリ・ヘイノネン氏は27日、北朝鮮は今回、過去2回で使ったプルトニウム型ではなく、初めて高濃縮ウラン型を使用するとの見方を示した。平壌で13日撮影(2012年 ロイター/Bobby Yip)

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