日本政府が29日付で発表した外国人叙勲で、台湾から中国信託ホールディングス会長の辜濂松さん(78)や長栄(エバーグリーン)グループ総裁の張栄発さん(84)=いずれも旭日重光章=ら4人が受章した。日台が断交した1972年以前を含め、同時に4人の受章は最多。今回の外国人叙勲では米国の11人に次ぐ数となった。
昨年は東日本大震災に際し台湾から多額の義援金が寄せられた。日本の窓口機関、交流協会台北事務所は「日本の感謝の気持ちと受け止めていただけるならありがたい」としている。
辜さんは日台財界でつくる東亜経済人会議の台湾側代表を務め交流に尽くした。植民地時代から日本と縁が深かった名家の出身。政財界の重鎮、故辜振甫氏のおいにあたる。海運、航空で巨大企業を築いた張さんは台湾からの訪日観光客増加に貢献したことなどが評価された。東日本大震災に対しては即断で10億円を寄付した。(台北=村上太輝夫)