中国:香港永住権求め「越境出産」急増

毎日新聞 2012年04月28日 18時34分(最終更新 04月28日 18時39分)

 香港の産婦人科では近年、急増する本土出身の妊婦に押されて分娩(ぶんべん)室が慢性的に不足している。私立病院の予約が難しいために出産間際に香港に越境し、急患として公立病院で産む「駆け込み出産」も横行し、昨年は約1700件に上った。このため、香港人の妊婦から「出産ができない。本来、香港人が受けられる医療が本土の人に奪われている」といった批判が高まっていた。

 ◇香港人の反感強まる

 梁次期行政長官は16日、私立病院での越境出産の受け入れ枠を来年からゼロにすると表明。さらに両親が香港永住権を持たない場合、「香港で子供が生まれても必ずしも永住権は与えない」と明言した。公立病院は越境出産の予約受け付けを中止しており、実施されれば越境出産の道はほぼ断たれる。

 こうした動きの背景には、富裕層が増えて頻繁に香港を訪れるようになった本土出身者に対する香港人の反感がある。本土からの訪問客は昨年は1日平均約7万6000人。大挙して本土から押し寄せる観光客のマナーの悪さがたびたび問題になり、今年2月には本土出身者を香港を食い荒らす「バッタ」に例えた意見広告が新聞に出された。

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