中国:香港永住権求め「越境出産」急増
毎日新聞 2012年04月28日 18時34分(最終更新 04月28日 18時39分)
中国本土から香港を訪れる人が増える中、本土出身の中国人と香港人とのあつれきが増している。その一つが子供に香港永住権を持たせるために中国本土の妊婦が香港で出産する「越境出産」だ。香港で医療サービスに支障が出るほど急増しており、3月に香港特別行政区政府トップの次期行政長官に選出された梁振英氏は来年から越境出産の受け入れを停止する方針を打ち出した。【深圳(中国広東省)で隅俊之】
◇当局「阻止」に躍起
中国本土から香港への入り口となる広東省深圳市福田区の出入境検査場。休日には観光などで本土から香港に向かう中国人の列ができる。妊婦もこうした列に交じって越境する。入境管理局の関係者は「出産間際の妊婦が香港へ入境するケースが増えており、当局は警戒を強めている。現在、おなかが大きな女性は病院の予約票がなければ、越境を阻止される」と話した。