■つぶやくデジ記者・神田大介
ネットを通じて無料で通話ができる「ライン」というスマホのアプリで、その「副作用」が話題になった。起動時に同じサービスの利用者を表示するのだが、何年も音信不通だった元カレ・元カノも現れるのだ。
ラインはスマホの電話帳を自動解析している。相手の電話帳に自分が載っていると、自分が消去していても機械的に表示する。利用者は国内1300万人。笑い話で済めばいいが、泥沼で別れた相手の執念におののく人もいるだろう。
米国ではスーパーが客の購買履歴を記録、特徴から妊婦らしい女性へ赤ちゃん用品のダイレクトメールを郵送するサービスを始めたところ、隠していた妊娠を親に知られる人が現れたとか。
便利さとプライバシーは、あちら立てればこちらが立たずの関係になりつつある。利用者が納得して便利さを選ぶならいい。フェイスブックはその一例だろう。
だが、承諾なしの「のぞき」はいけない。スマホのアプリ利用記録を勝手に監視し、興味を引きそうな広告を出すアップログというプログラムがそうだった。
さて、私もラインを導入した。現れた「友達」の中にアップログを開発した社長が。東大在学中に起業し、野望に満ちたイケメン青年だが、問題点を指摘する記事を書いたら電話に出なくなっていた。「友達」向けの一言コメントに「崖っぷち。プリーズコールミー……」。
しばらくして、彼は会社の解散を発表した。弱音を私に見られたこと、彼は知っているのかな。