5月6日のフランス大統領選の決選投票に臨む現職サルコジ氏は26日、仏テレビの討論番組に出演し、選挙戦で「(訪日の際に)福島に行った」と事実に反する発言をしたのは「『福島について話すために東京に行った』と言うと、わかりにくいと思ったからだ」と弁明した。
サルコジ氏は昨年3月31日、日本を電撃的に訪問し当時の菅直人首相と会談。滞在中、フランスの電力の約8割を占める原発の関連産業を守る姿勢を改めて表明し、同国内で広がりつつあった「脱原発」や「縮原発」の動きを牽制(けんせい)した。
虚言については、対立候補の社会党のオランド氏も批判。サルコジ氏は「(東京電力福島第一原発の)事故現場に何とか行きたいと思ったが、立ち入り禁止区域となっており、不可能だった」と語った。(パリ=稲田信司)