橋下大阪市長、節電理解なければ原発再稼働やむなしの姿勢示す
26日朝、橋下大阪市長の口から飛び出した意外ともいえる発言が波紋を広げている。
橋下市長は「府県民の皆さんに負担をお願いします。夏のピーク時、わずかな時間、本当に電力消費量がぽっと上がる瞬間を、みんなで我慢できるかどうかですよ。それが無理だったら、原発の再稼働をやるしかないと思いますよ」と述べた。
関西電力管内で、この夏の電力不足が予想される中、節電に関する住民の理解が得られなければ、大飯原発の再稼働やむなしという姿勢を示した。
しかし、橋下市長といえば、13日には「こんな統治、絶対許しちゃいけないですよ。僕は本当に頭にきた」と述べ、24日には「今進めている、この進め方が、安全かどうかなんて、誰も判断していない。こんな状態の中で、安全だなんて進めていいんですかと。国家崩壊ですよ、こんなのは」と述べていた。
安全性の判断基準を満たしており、再稼働を妥当とした民主党政権の姿勢に対し、猛烈な批判を繰り返していた。
その一方で、16日には「僕らは、大飯の再稼働について、何が何でも絶対反対というわけではない」と述べていた。
そして26日、橋下市長が打ち出したのは、安全性を取るのか、この夏の暮らしの快適さを取るのかという、二者択一だった。
26日朝、橋下市長は「安全を満たしてくれ、負担は嫌だ、これは無理です。かっこいいことばかり言っていたら、駄目です。(住民の意思はどう把握する?)それは、政治感覚です。それは、政治家の役割です」と述べた。
橋下発言が波紋を広げる中、26日午後、関西の知事や市長たちが、関西電力の副社長から、この夏の電力需給の見通しについて、説明を受けた。
関西電力の香川次朗副社長は「他社融通が目いっぱいの状況です。夜は、各電力が余っているというご指摘での、もっと活用がというのがありますが、夜の調達というのは、目いっぱいやっています」と話した。
関西電力側は、やれることはやったうえでも、原発を再稼働させないと、電力が足りないしている。
滋賀県の嘉田知事は「言い方は悪いが、駄々っ子のように『できない、できない』ばかり言っているように思う。突破するための企業としての戦略は、お持ちではないのか」と述べた。
兵庫県の井戸知事は「去年の最高は、2,789万(kW)だった。ですから、(ことしの見通しが)3,030万になるのか。全く疑問です」と語った。
知事たちが次々と疑問をぶつける中、橋下市長は、ある提案を行った。
それは、さらなる波紋を呼びそうな中身だった。
橋下市長は「もし、再稼働を認めなければ、応分の負担がありますよということで、インセンティブ、すなわち増税ということも検討し、具体策を立てなければいけない」と述べた。
橋下市長が掲げた案は、大飯原発を再稼働しなかった場合、利用者に月およそ1,000円から2,000円の負担を求めるべきというもの。
橋下市長は「国を無視しろというわけではないが、関西広域連合の手続きに乗っかってきてもらったほうが、信頼を得られると思う」と述べた。
この提案は、新たな波紋を呼ぶとみられる。