JR西日本の佐々木隆之社長は11日の記者会見で、政府が近く着工認可する方針の九州新幹線西九州(長崎)ルートのフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)導入に絡み、山陽新幹線への乗り入れについて「ダイヤ編成上の問題がある」などと指摘し、あらためて難色を示した。
佐々木社長は、FGT乗り入れへの課題として、運行指令システムなど新たな設備の必要性や、博多駅の線路容量(発着可能な列車数)を挙げた。さらに「それらの問題が解決しても、時速300キロの山陽新幹線に、(開発目標速度が)時速270キロのFGTが入るとダイヤ上影響がある」と話した。
一方、昨年3月の九州新幹線鹿児島ルート全線開通で新大阪-鹿児島中央間が直通新幹線で結ばれた効果で、空路を含む旅客市場が京阪神-鹿児島間で約3割、京阪神-熊本間では約4割拡大したとの推計を発表。「新幹線のシェアが拡大したが、飛行機も大きな落ち込みではない。パイが拡大した」と評価した。
その上で、団塊の世代を中心に「平日の利用客の伸びを営業努力で拡大する必要がある」と述べた。
=2012/04/12付 西日本新聞朝刊=