“メイド・イン・ジャパン” 復活の処方せん

012011年、日本は31年ぶりに貿易赤字に転落しました。東日本大震災や円高、資源価格の高騰などが大きく影響したものです。一方で、大きな構造変化 "メイド・イン・ジャパン" のちょう落を指摘する声もあります。

資源の乏しい国・日本はこれまで、ものづくりで輸出を伸ばすことで貿易黒字を続けてきました 。その輸出の強力な武器が "メイド・イン・ジャパン" ブランドです。しかし "メイド・イン・ジャパン" の象徴とも言える家電ですら、厳しい現実に直面しています。 "貿易立国" "ものづくり大国" 日本を支えてきた大手電機メーカーが、3月期決算で大幅な赤字を計上することになったのです。 "メイド・イン・ジャパン" の製品は、価格競争で新興国に歯が立たないばかりか、品質競争でも、かつてのような圧倒的な優位を保てなくなりつつある、とも指摘されています。

02高品質が売りであった "メイド・イン・ジャパン" はいま、世界の人々の目にどのように映っているのでしょうか。

一方、 "メイド・イン・コリア" や "メイド・イン・ジャーマニー" は躍進しています。半導体や家電の世界市場で、すでに地位を確立した韓国メーカーは、最近では自動車メーカーの躍進も著しく、世界中で販売数を増やしています。ドイツは2011年、過去最大の輸出額を記録しました。けん引役は機械製品と自動車です。 "メイド・イン・ジャーマニー" は多くの国で高品質の代名詞となっているとの声も聞こえてきます。
 
グローバル経済の進展で、新興国が成長・発展すれば、 "メイド・イン・ジャパン" の製品も売れるはずでした。豊かになった世界中の人々が "メイド・イン・ジャパン" を欲しがるはずでした。しかし、現実は必ずしもそのようになっていません。

"メイド・イン・ジャパン" はなぜ世界市場でシェアを奪われるようになったのでしょうか? "メイド・イン・コリア" 躍進の秘密はどこにあるのでしょうか? "メイド・イン・ジャーマニー" が依然強くあり続けることができるのはなぜなのでしょうか?

03日本の誇りとも言える "メイド・イン・ジャパン" の実力について、そして、さらに輝きを増すための処方せんについて、世界の専門家が議論します。