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'12/4/28

鞆架橋協議の内容見えず不満



 福山市鞆町の鞆港埋め立て・架橋計画の是非をめぐる広島県と市の協議について、地元住民が「議論の内容が見えない」といらだちを募らせている。推進派の期成同盟会は27日、内容を開示するように県、市に要望。反対派も公開の場での協議を求める方針を決めた。県と市は協議の進め方や情報提供のあり方を再検討する。

 「話し合いの中身が見えてこない、聞こえてこない」。メンバー3人と県庁を訪れた期成同盟会の大浜憲司会長は城納一昭副知事に要望書を手渡し、不満をぶつけた。城納副知事は「伺った意見を踏まえて市と話をしたい」と答えた。

 矛先が向かうのは湯崎英彦知事と羽田皓市長のトップ会談。2月から3回にわたり計画の是非や鞆町のまちづくりについて非公開で話し合ったが、内容を明らかにしていない。

 湯崎知事は就任翌年の2010年に住民協議会を設置。推進、反対両派を巻き込んで議論を続けただけに、蚊帳の外に置かれた格好の大浜会長たちは不満を募らせる。

 この日、反対派住民でつくる埋め立て免許差し止め訴訟の原告団も鞆町で会合を開き、トップ会談などの原則公開を県、市に求めることを決めた。松居秀子事務局長は「住民は内容を知る権利がある」と訴える。

 トップ会談では、架橋推進で一貫する市と、他の選択肢も視野に入れる県との間で認識のずれが生じている。県側には「公開の場で話し合うと、ざっくばらんに話せなくなる」と消極論もある。

【写真説明】城納副知事(左)に要望書を手渡す大浜会長




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