ドル下落、米GDP受け追加緩和観測強まる=NY市場
[ニューヨーク 27日 ロイター] 27日のニューヨーク外国為替市場では、ドルが対円とユーロで数週間ぶり安値に下落。第1・四半期米国内総生産(GDP)速報値が予想を下回り、米連邦準備理事会(FRB)の追加緩和観測が強まった。
この日実施されたイタリア国債入札が無難に消化され、ユーロ圏周辺国債への懸念が和らいだことからユーロは上昇した。
第1・四半期GDPは年率換算で前期比2.2%増となり、ロイターがまとめたアナリスト予想の2.5%増を下回った。民間設備投資の減少や在庫積み増しペースの減速が響き、前期の3.0%増から鈍化した。
投資家が5月4日に公表される4月の米雇用統計を意識するなか、取引高は抑えられた。第1・四半期GDPがどちらの方向に修正されるのかを見極める上で、雇用統計は重要な手掛かりになる。
フォレックス・ドットコムのシニア為替ストラテジスト、ダニエル・ファン氏は「GDPは予想を下回り、FRBがQE3(量的緩和第3弾)に踏み切る可能性が高まった」と指摘。市場はスペイン格下げには反応薄だったとし「FRBが動くとの期待でリスク資産が上昇の勢いを維持している。QE3の可能性が強まっていることは、ドルにとっては悪材料だ」と話した。
ロイター・データで、ユーロ/ドルは終盤、0.24%高の1.3240ドルとなった。一時3週間ぶり高値となる1.3270ドルをつけた。この日の安値は1.3155ドル。週間ベースでは0.356%上昇。2週連続で上昇した。
ドル/円は終盤、0.79%安の80.37円。一時米経済指標が重しとなり、80.35円まで下落し、4月半ば以来の安値をつけた。週間ベースでは、1.447%下落した。
円はドルとユーロに対してしっかりで推移。日銀が27日開いた金融政策決定会合で、資産買入基金による長期国債買い入れ額を10兆円拡大するなど、追加緩和を決定したことについて、大胆というよりも漸進的な措置との見方が広がった。 続く...