新弟子検査が27日、東京・両国国技館で行われ、受検した10人全員が体格検査をパスした。体格規準は今回から167センチ、67キロに緩和されたが、新潟県出身で湊部屋の宮沢貴真(16)も、測定直前に2リットルの水をがぶ飲みしてぎりぎりの67キロでパスした。
国技館到着前にコンビニで買ってきたペットボトルの栓を開けると、宮沢はゴクゴクと音を立てて飲み始めた。「来る前に体重を測ったら、64キロか65キロだったので兄弟子が買ってくれました」。身長は基準を大きく上回る184センチだが、ガリガリで体重が足りない。ボトルを1本空け、次のボトルを飲み始めたときに検査開始のアナウンス。「もっと飲みたかったけど」。恐る恐る体重計に乗るとピッタリだった。「よかったあ〜」と笑みを浮かべた。
中学校までは陸上部の長距離選手。中学3年のときに3000メートルで10分52秒を記録したこともある。「昔からの伝統。勝っていけば上がっていくところがいい」と入門を決意。新潟・安塚高校を1年で中退した。「幕下あたりまでいけたら」と謙虚だが、横綱・白鵬もガリガリから横綱になった。「ぼくみたいな体形と聞いた。食べれば太るかな。丼3杯がノルマ」と土俵に上がるのを夢みている。 (岸本隆)
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