医師・歯科医師国家試験受験資格認定について
外国において医科大学(医学部)・歯科大学(歯学部)を卒業した者、又は医師免許・歯科医師免許を取得した者が日本で医師国家試験・歯科医師国家試験を受験するためには、医師法・歯科医師法の規定に基づき、厚生労働大臣の認定が必要とされています。受験資格認定の手続き及び審査方法は、以下の通りです。
○ 最近、卒業後に日本の医師国家試験の受験資格が得られる旨認可を厚生労働省から受けていること等を示して、外国の医科大学(医学部)・歯科大学(歯学部)への入学を勧誘する広告を行っている例が見受けられますが、厚生労働省は、外国の医学校を卒業した方から、医師国家試験の受験資格認定の申請があった後に、当該申請者個々人の能力や、当該申請者が受けた教育等を審査することとなっており、海外の医学校等に対し、当該医学部の卒業生への医師国家試験の受験資格を一律に認定することはありません。
○ このため、こうした海外の医学校等を卒業されても、日本の医師国家試験の受験資格が認められないことが十分想定されますのでご注意下さい。
1.審査対象者
外国の医(歯科医)学校を卒業し、又は外国において医(歯科医)師免許を得た者
2.審査方法
審査の結果として、(1)医(歯科医)師国家試験の受験資格を認定される場合、(2)医(歯科医)師国家試験予備試験の受験資格を認定される場合、(3)その両方が認められない場合、がある。
(1)国家試験受験資格認定
書類審査及び日本語診療能力調査の両方の認定基準を満たした者に対して医(歯科医)師国家試験受験資格認定を行う。
書類審査(申請締切:3月末又は7月末) ↓ 日本語診療能力調査(10〜11月頃) ↓
↓ 医(歯科医)師国家試験 (2月頃) |
(2)国家試験予備試験受験資格認定
書類審査の認定基準を満たした者に対して医(歯科医)師国家試験予備試験受験資格認定を行う。国家試験予備試験受験資格認定を受けた者は、その後予備試験を受験し、同試験に合格してから、更に1年以上の診療及び公衆衛生に関する実地修練の後に、医(歯科医)師国家試験が受験可能になる。
書類審査(申請締切:7月末又は3月末) ↓
↓ 予備試験(6〜11月頃) ↓ 1年以上の実地修練 ↓ 医(歯科医)師国家試験 (2月頃) |
3.書類審査の認定基準
国家試験受験資格認定 | 国家試験予備試験受験資格認定 | ||
外国医(歯科医)学校の修業年数 | |||
医(歯科医)学校の入学資格 | 高等学校卒業以上(修業年数12年以上) | ||
医(歯科医)学校の教育年限(注) | 6年以上
進学課程 2年以上 専門課程 4年以上 (インターン期間については教育年数に算入しない) |
5年以上
専門課程 4年以上 (インターン期間については教育年数に配慮する) |
|
医(歯科医)学校卒業までの修業年限 | 18年以上 | 17年以上 | |
専門科目の授業時間 | 4,500時間以上で、かつ一貫した教育を受けていること | 3,500時間以上で、かつ一貫した教育を受けていること | |
医(歯科医)学校卒業からの年数 | 10年以内(但し、医(歯科医)学教育又は医(歯科医)業に従事している期間は除く) | ||
専門科目の成績 | 良好であること | ||
教育環境 | 大学付属病院の状況、教員数等が日本の大学とほぼ等しいと認められること | 大学付属病院の状況、教員数等が日本の大学より劣っているものでないこと | |
当該国の政府の判断 | WHOのWorld Directory of Medical (Dentistry) Schoolに原則報告されていること | ||
医(歯科医)学校卒業後、当該国の医(歯科医)師免許取得の有無 | 取得していること | 取得していなくてもよい | |
当該国の医(歯科医)師免許を取得する場合の国家試験制度 | 制度が確立されていること | 制度が確立していなくてもよい | |
日本語能力 | 日本の中学校及び高等学校を卒業していない者については、日本語能力試験1級の認定を受けていること |
(注)大学院の修士課程、博士課程等は算入しない。
4.申請書類
以下の申請書類を厚生労働省医政局医事課試験免許室に提出すること。毎年3月末及び7月末に申請が締め切られ、書類審査が行われる。
(1)医(歯科医)師国家試験受験資格認定願 [様式例1(PDF:45KB)]
(2)医(歯科医)師国家試験受験資格認定申請理由書 [様式例2(PDF:36KB)]
(3)履歴書[様式例3(WORD:70KB)(PDF:59KB)、記入要領(PDF:93KB)](学歴については、日本の小学校に相当する学校から医学校まで、入学・卒業年次を各々の学校について西暦で記入すること。小学校から高等学校までの修業年数が12年未満の場合は、原則としてその事情が分かる書類を添えること。また、職歴についても出来るだけ詳細に記載すること。)
(4)外国人登録原票記載事項証明書(日本国籍を有する者の場合は戸籍抄本又は戸籍謄本)
(5)医師の診断書 [様式例4(PDF:53KB)](日本の医師資格を有する者により、申請前1ヵ月以内に発行されたものに限る。)
(6)写真 [様式例5(PDF:39KB)](3枚;申請前6ヵ月以内に脱帽正面で撮影した6×4cmのもの。)
(7)外国で取得した医(歯科医)師免許証の写し
(8)外国における資格試験の合格証書の写し又は合格証明書
(9)卒業した外国医(歯科医)学校の卒業証書の写し又は卒業証明書
(10)卒業した外国医(歯科医)学校の暦年学業成績書の写し又は暦年学業成績証明書
(11)卒業した外国医(歯科医)学校の教科課程及び時間数を明らかにした書類
(12)卒業した外国医(歯科医)学校の施設現況書 [様式例6(PDF:18KB)](原則として当該学校で記入されたものであること。)
(13)外国で医(歯科医)師免許を取得した者にあってはその根拠法令の関係条文の抜粋
(14)日本の病院等で研修している者の場合はその証明書
(15)卒業した外国医(歯科医)学校のパンフレット
(16)日本の中学及び高等学校を卒業していない者の場合は、日本語能力試験1級認定書と成績書の写し
※作成上の注意
1.提出書類の部数は1部である。
2.添付書類のうち外国語で記載されているものは、全て日本語訳を添付すること。((15)を除く)。
3.(7)〜(12)については、提出書類と日本語訳両方を、公的な機関(当該国の大使館、領事館、外務省等)において真実である旨の確認を受け、その証明を併せて提出すること。
(注意)当該国の大使館、領事館という記載につきましては、外国に所在する日本国の大使館及び領事館ではありませんのでご注意願います。
4.(7)〜(10)及び(16)の書類については、各原本を持参すること。(原本は照合後に返還する)
5.認定申請は必ず申請者本人が行い、郵送、代理による申請は受理しない。
申請のため試験免許室に来室する場合は、日時について必ず担当者の約束を取り付けること。約束がない場合、対応ができないことがあるので注意すること。
5.日本語診療能力調査について
日本語を用いて診療するために十分な能力を有しているか否かを調査する。
(1)調査委員
ア.医師国家試験受験資格認定
内科、外科、小児科、産婦人科を専門とする医師国家試験委員を各1名
イ.歯科医師国家試験受験資格認定
保存学、補綴学、口腔外科学、矯正学を専門とする歯科医師国家試験委員を各1名
(2)調査内容
日本語の診療能力を調査するために必要と考えられる程度の医(歯科医)学に関する内容について試問する。
(3)評価項目
以下の領域について評価を行う。
ア)発話力
相手(患者、医(歯科医)師等)にわかりやすく説明又は指示を与えることができるか。また、適切で誤解のない表現を選ぶことができるか。
イ)理解力
相手(患者、医(歯科医)師等)の言うことを理解することができるか。また、適切な質問を自らすることによって、疑問を克服することができるか。
ウ)作文力
基本的な医(歯科医)療記録を日本語(仮名混じりも可)で作成できるか。
エ)語彙数
日本で通常用いられる医(歯科医)学用語を理解し使用することができるか
(4)その他
書類審査においては基準を満たしていたが、日本語診療能力調査において基準以下であった者については、医(歯科医)師国家試験予備試験受験資格認定を受けることができる。
6.予備試験の試験科目(参考)
(1)医師国家試験予備試験
ア.第1部試験
解剖学(組織学を含む。)、生理学、生化学、免疫学、薬理学、病理学、法医学、微生物学(寄生虫学を含む。)及び衛生学(公衆衛生学を含む。)
イ.第2部試験
(ア)筆記試験
内科学、小児科学、精神科学、外科学、整形外科学、産科・婦人科学、皮膚科学、泌尿器科学、耳鼻いんこう科学、眼科学、放射線科学及び救急医学(麻酔科学を含む。)
(イ)実地試験
内科学、外科学、産科・婦人科学、小児科学及び救急医学(麻酔科学を含む。)
(2)歯科医師国家試験予備試験
ア.学説試験
(ア)第1部試験
解剖学(組織学を含む。)、生理学、生化学(免疫学を含む。)、薬理学、病理学、微生物学及び衛生学
(イ)第2部試験
口腔外科学、保存学、補綴学、矯正学及び小児歯科学
イ.実地試験
口腔外科学、保存学、補綴学及び矯正学
7.手続き及び問い合わせ先
〒100−8916 東京都千代田区霞ヶ関1−2−2
厚生労働省医政局医事課試験免許室 Tel 03-5253-1111(代表)
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