2012年04月27日(金)
返事不要のコメントの返事も含めた前エントリーの続き。
なんだか、私的見解としての小説の書き方と注意点みたいな内容にもなりました。
長いです。
先日のブログ内容をうけて、ご意見などのいくつかコメントをいただきました。
励ましや、面白かったと言って下さった方、ありがとうございます。
例えば、ホームズを主人公にして、オリエント急行殺人事件を焼き直したところで、
そこそこ面白い話になるとは思うのですよ。
しかし、その話を創作物と認められるか、と問われたら、
私個人の意見としては、認められないと答えます。
今回、これと似たことが自分の作品に起きました。
推理小説ですと、トリック云々で既存のものを使うってことは
まずありえないので、前述の例のような真似をする人はいないでしょうが、
ことアマチュアのファンタジーのジャンルに関しては
こういうことが当り前のように横行している気がします。
『ちょっと作家気分を味わいたい』が為を目的として書いてるのであれば、
そういうのも『あり』なのかもしれませんが、どうしたって褒められた行為じゃないです。
別に良いじゃん、楽に書いて、面白ければ?
そりゃあ、創作の根本的な意味を知らないんでしょう。
でなければ、才能あるなしは別にして、創作することに向いてない性格です、きっと。
新しいアイデアは、滅多に簡単にでません。
一日、二日、それ以上の日にちをかけて頭を悩ませて、やっと出るもんです。
で、私がやりたいのは、『創作』なんですよ。
そして、創作でいちばん大事なのは、オリジナリティ(独創性)だと思っています。
特にエンタメを目指している者にとっては。
読んだ時の目新しさに読者は驚き、読んでいて愉しいと感じる部分は大きいでしょう。
オンライン上で、趣味で公開されている作品の中でも、
優れた作品には、必ずオリジナリティのある設定が、でん、と構えています。
そして、自分がどの程度それができるのかはわかりませんが、少なくとも、
できるだけ良い作品にしたいとは思っています。
『金銀』を書き始めるにあたってまず考えたことは、
呪いを解く、という物語の大黒柱がよくあるものであり(これこそ王道設定!)、
スタンダードに魔法を物語の中心で扱いながら、どうやってオリジナリティをもたせるか、
でした。
個人的には、かなりの挑戦だったわけです。
読んでいただければわかるんですが、この物語では魔法に関する理屈が、
物語の重要な柱のひとつになっています。
そして、微妙に異なる魔法が二種類でてくる。
ここで、更にない頭を絞って、拙作なりの設定を考えたわけです。
精霊が魔法に関っているという設定はありきたりですが、
書き始めた頃、ここまで多くはなかったと記憶しています。
似たところで、エレメンタルとか、元素を司る妖精という形での表現が殆どだったと思います。
あと、召喚とか、錬金術っぽいものとか。
ましてや、『精霊に異様に好かれる体質』という設定は、これを書き始めた頃には
『王道』でなかったことは確かです。
アイデアがでた段階で、自分なりに調べましたから。
もし、どこかで使用されているのを見付けていれば、採用しませんでした。
物語全体から言っても、いちばんのオリジナリティ部分でした。
理由も合わせて、物語を形作る柱の一本としたわけです。
ですが、現在となっては、この体質設定がありふれたものと成り果ててしまっています。
「ああ、またか」と言われて、読む事もなく内容を判断される設定です。
お手軽設定、使い捨てと言ってもいい。
いつの間に!?
そして、拙作のオリジナリティが、失われたことに気付かされました。
すべて、台なしになったわけです。
自分で一生懸命考えた筈なのに、よくある設定を繋ぎあわせただけだと判断される話
に成り下がりました。
個性的であるかもしれないけれど、独創的ではない。
文章とか構成の仕方にも個性はでますが、これらは技術であって、オリジナリティ
とは無関係です。
それでも多少は、この物語にもオリジナルな箇所が残っているかもしれませんが、
物語全体に目新しさを印象づける役割をするには、インパクト不足。
その上、アクセントとなるギャグの場面で、他サイト様の作品と被る場面をみつけている。
これについてのリスクは、前に愚痴った通り。
勿論、キャラ設定や文章の表現方法は違っていますが、最初に書いた通り、
その程度の差違はないも同然、『創作物とは言えない』。
二番煎じ、三番煎じ(一番がどの作品かは知りませんが)。
そして、今後どれだけ頑張ったとしても、完成品が自分が望む理想の形には遠く至らないと
知ったわけです。
『誰も読んだことのない、自分だけが書ける面白い話』、にはならないと。
自分さえ自分の独創性を自信をもって認識していればいい?
とんでもない! どこの俺様ですか。
公開している限りは、第三者である読者の意識を重要視するのは、当然のことでしょう。
そうする配慮が嫌ならば、ひとりで書いて、他人に見せることなく満足していればいい。
たとえ、最初に設定を考えたのが私であったとしても、完結していない状態では
一作品として数えられず、主張したところで意味はなさないわけです。
同じく、当サイトには異世界トリップものもあるわけですが、
この手垢に塗れた設定の場合、行った先でなにをするか、や、メッセージ性を
強めたことでオリジナリティをだしたつもりです。
だから、多くの人に最後まで読んで貰えたし、愉しんで貰えたのだと思います。
それにこれは、一応、二年前に完結した作品なので、
目新しさは、現在、問題にするものではありません。
確かに、読者のかつて読んだ作品の経験値や感覚によって、新しく考えたつもりの設定も
実はありふれたものだった、ということもあるかもしれません。
事前の調査不足とか、巡り合わせやタイミングが悪かったか、とか。
それにしても、狭い時期に何人もの人間が同じアイデアを思い付くなんて不自然でしょう。
そもそも、主人公、或いは、準主人公クラスの人物設定を手軽にすませようとするってのは、
どういうつもりなんだろう、と思いますね。
基本的に、盗用ですませてはならない箇所でしょう。
名前や舞台設定が、他作品と被るのとは、わけがちがう。
どう考えても、物語を形作る上での重要な要素となるだろう部分を考えない時点で、
その作品に対する書き手の姿勢がうかがい知れます。
設定を消化しきれず頓挫するか、設定を生かしきれずに終りかねない、と感じます。
先に言った、『読むことなく内容を判断される』というのは、そういう理由からです。
書き手がどこにその作品を書く価値を見いだしているか、がまず問題でもあるのでしょう。
プロですと、稀に同じような事態にあったとしても、書くことで得られる収入とか経費、
肩書きを優先させもするでしょう(某出版社もよくやるよなぁ、恐れ入る)。
私の場合は、アマチュアの創作活動であるからこそ、こだわる所ははこだわる。
(『アマチュアだから』を手抜きの理由にする場合もあり)
実際、ひとつの話を書くのに、ああでもないこうでもないと
青息吐息で七転八倒していたりします。
結構、真剣にやってんですよ。
だから、その状態で、面白くないだろうと思われた作品を書き続けるのは、難しいです。
ええ、とても。とても、へこみますね、こういうことがあると。
己の才能のなさにも、がっかりです。
ほんと、なにやってんだろう、って感じで、創ることをやめたくなります。
たとえ、最後までプロットができていても、屑同然に感じます。
一度書き始めた作品は完結はすべきだと思うし、したいのですが、
これらの理由により、これ以上、時間を削ってこの物語を書きつづける意味があるのか
わからなかったりします。
どこにも、メリットがみつからない。
独創性がないとわかった(or判断される)物語を、あえて書きつづけようという
意欲がもてないのですよ。
「こんなん書いちゃいましたあ(てへっ)! よくある話だけれど許してね(はーと)」
なんて態度は、自分にはありえないですし。
(自分で書いていて、蹴り倒したくなった。むかつくな。創作を舐めんな!)
下げるかどうかについては、取りあえずは、もう少し考えてみようかと思いますが、
こんな精神状態なんで、暫く休止します。
もし、打開策がみつかるか、書き続ける理由ができるか、気持ちが割りきれたら再開しますし、
どうしても開き直れなかったら、放置か下げるかします。
ランキングだけは外しておきます。
ご協力下さった方、有難う御座いました。
現状、手元にあるぶんで、463,804文字
400字詰め原稿用紙に換算すると、約1159枚
途中でストップするものとしては、個人の最長記録だ。
なんだか、私的見解としての小説の書き方と注意点みたいな内容にもなりました。
長いです。
先日のブログ内容をうけて、ご意見などのいくつかコメントをいただきました。
励ましや、面白かったと言って下さった方、ありがとうございます。
例えば、ホームズを主人公にして、オリエント急行殺人事件を焼き直したところで、
そこそこ面白い話になるとは思うのですよ。
しかし、その話を創作物と認められるか、と問われたら、
私個人の意見としては、認められないと答えます。
今回、これと似たことが自分の作品に起きました。
推理小説ですと、トリック云々で既存のものを使うってことは
まずありえないので、前述の例のような真似をする人はいないでしょうが、
ことアマチュアのファンタジーのジャンルに関しては
こういうことが当り前のように横行している気がします。
『ちょっと作家気分を味わいたい』が為を目的として書いてるのであれば、
そういうのも『あり』なのかもしれませんが、どうしたって褒められた行為じゃないです。
別に良いじゃん、楽に書いて、面白ければ?
そりゃあ、創作の根本的な意味を知らないんでしょう。
でなければ、才能あるなしは別にして、創作することに向いてない性格です、きっと。
新しいアイデアは、滅多に簡単にでません。
一日、二日、それ以上の日にちをかけて頭を悩ませて、やっと出るもんです。
で、私がやりたいのは、『創作』なんですよ。
そして、創作でいちばん大事なのは、オリジナリティ(独創性)だと思っています。
特にエンタメを目指している者にとっては。
読んだ時の目新しさに読者は驚き、読んでいて愉しいと感じる部分は大きいでしょう。
オンライン上で、趣味で公開されている作品の中でも、
優れた作品には、必ずオリジナリティのある設定が、でん、と構えています。
そして、自分がどの程度それができるのかはわかりませんが、少なくとも、
できるだけ良い作品にしたいとは思っています。
『金銀』を書き始めるにあたってまず考えたことは、
呪いを解く、という物語の大黒柱がよくあるものであり(これこそ王道設定!)、
スタンダードに魔法を物語の中心で扱いながら、どうやってオリジナリティをもたせるか、
でした。
個人的には、かなりの挑戦だったわけです。
読んでいただければわかるんですが、この物語では魔法に関する理屈が、
物語の重要な柱のひとつになっています。
そして、微妙に異なる魔法が二種類でてくる。
ここで、更にない頭を絞って、拙作なりの設定を考えたわけです。
精霊が魔法に関っているという設定はありきたりですが、
書き始めた頃、ここまで多くはなかったと記憶しています。
似たところで、エレメンタルとか、元素を司る妖精という形での表現が殆どだったと思います。
あと、召喚とか、錬金術っぽいものとか。
ましてや、『精霊に異様に好かれる体質』という設定は、これを書き始めた頃には
『王道』でなかったことは確かです。
アイデアがでた段階で、自分なりに調べましたから。
もし、どこかで使用されているのを見付けていれば、採用しませんでした。
物語全体から言っても、いちばんのオリジナリティ部分でした。
理由も合わせて、物語を形作る柱の一本としたわけです。
ですが、現在となっては、この体質設定がありふれたものと成り果ててしまっています。
「ああ、またか」と言われて、読む事もなく内容を判断される設定です。
お手軽設定、使い捨てと言ってもいい。
いつの間に!?
そして、拙作のオリジナリティが、失われたことに気付かされました。
すべて、台なしになったわけです。
自分で一生懸命考えた筈なのに、よくある設定を繋ぎあわせただけだと判断される話
に成り下がりました。
個性的であるかもしれないけれど、独創的ではない。
文章とか構成の仕方にも個性はでますが、これらは技術であって、オリジナリティ
とは無関係です。
それでも多少は、この物語にもオリジナルな箇所が残っているかもしれませんが、
物語全体に目新しさを印象づける役割をするには、インパクト不足。
その上、アクセントとなるギャグの場面で、他サイト様の作品と被る場面をみつけている。
これについてのリスクは、前に愚痴った通り。
勿論、キャラ設定や文章の表現方法は違っていますが、最初に書いた通り、
その程度の差違はないも同然、『創作物とは言えない』。
二番煎じ、三番煎じ(一番がどの作品かは知りませんが)。
そして、今後どれだけ頑張ったとしても、完成品が自分が望む理想の形には遠く至らないと
知ったわけです。
『誰も読んだことのない、自分だけが書ける面白い話』、にはならないと。
自分さえ自分の独創性を自信をもって認識していればいい?
とんでもない! どこの俺様ですか。
公開している限りは、第三者である読者の意識を重要視するのは、当然のことでしょう。
そうする配慮が嫌ならば、ひとりで書いて、他人に見せることなく満足していればいい。
たとえ、最初に設定を考えたのが私であったとしても、完結していない状態では
一作品として数えられず、主張したところで意味はなさないわけです。
同じく、当サイトには異世界トリップものもあるわけですが、
この手垢に塗れた設定の場合、行った先でなにをするか、や、メッセージ性を
強めたことでオリジナリティをだしたつもりです。
だから、多くの人に最後まで読んで貰えたし、愉しんで貰えたのだと思います。
それにこれは、一応、二年前に完結した作品なので、
目新しさは、現在、問題にするものではありません。
確かに、読者のかつて読んだ作品の経験値や感覚によって、新しく考えたつもりの設定も
実はありふれたものだった、ということもあるかもしれません。
事前の調査不足とか、巡り合わせやタイミングが悪かったか、とか。
それにしても、狭い時期に何人もの人間が同じアイデアを思い付くなんて不自然でしょう。
そもそも、主人公、或いは、準主人公クラスの人物設定を手軽にすませようとするってのは、
どういうつもりなんだろう、と思いますね。
基本的に、盗用ですませてはならない箇所でしょう。
名前や舞台設定が、他作品と被るのとは、わけがちがう。
どう考えても、物語を形作る上での重要な要素となるだろう部分を考えない時点で、
その作品に対する書き手の姿勢がうかがい知れます。
設定を消化しきれず頓挫するか、設定を生かしきれずに終りかねない、と感じます。
先に言った、『読むことなく内容を判断される』というのは、そういう理由からです。
書き手がどこにその作品を書く価値を見いだしているか、がまず問題でもあるのでしょう。
プロですと、稀に同じような事態にあったとしても、書くことで得られる収入とか経費、
肩書きを優先させもするでしょう(某出版社もよくやるよなぁ、恐れ入る)。
私の場合は、アマチュアの創作活動であるからこそ、こだわる所ははこだわる。
(『アマチュアだから』を手抜きの理由にする場合もあり)
実際、ひとつの話を書くのに、ああでもないこうでもないと
青息吐息で七転八倒していたりします。
結構、真剣にやってんですよ。
だから、その状態で、面白くないだろうと思われた作品を書き続けるのは、難しいです。
ええ、とても。とても、へこみますね、こういうことがあると。
己の才能のなさにも、がっかりです。
ほんと、なにやってんだろう、って感じで、創ることをやめたくなります。
たとえ、最後までプロットができていても、屑同然に感じます。
一度書き始めた作品は完結はすべきだと思うし、したいのですが、
これらの理由により、これ以上、時間を削ってこの物語を書きつづける意味があるのか
わからなかったりします。
どこにも、メリットがみつからない。
独創性がないとわかった(or判断される)物語を、あえて書きつづけようという
意欲がもてないのですよ。
「こんなん書いちゃいましたあ(てへっ)! よくある話だけれど許してね(はーと)」
なんて態度は、自分にはありえないですし。
(自分で書いていて、蹴り倒したくなった。むかつくな。創作を舐めんな!)
下げるかどうかについては、取りあえずは、もう少し考えてみようかと思いますが、
こんな精神状態なんで、暫く休止します。
もし、打開策がみつかるか、書き続ける理由ができるか、気持ちが割りきれたら再開しますし、
どうしても開き直れなかったら、放置か下げるかします。
ランキングだけは外しておきます。
ご協力下さった方、有難う御座いました。
現状、手元にあるぶんで、463,804文字
400字詰め原稿用紙に換算すると、約1159枚
途中でストップするものとしては、個人の最長記録だ。
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