裁判:暴力団裁判 住民丸見え
2012年04月28日
福岡県久留米市にある指定暴力団道仁会旧本部事務所などを巡り、周辺住民が使用差し止めと損害賠償を求めた集団訴訟の第2回口頭弁論が27日、福岡地裁久留米支部(有吉一郎裁判長)であり、原告ら住民男性3人が、被告席の道仁会の小林哲治会長から見える証言台で「抗争に巻き込まれるのが怖い」などと証言した。
暴力団事務所差し止め訴訟で住民が法廷で証言するのは異例。久留米支部は法廷と傍聴席の間についたてを置いたが、被告席に座った小林会長からは3人が見える状態だった。傍聴者の中に組員は確認されなかった。
男性3人は06年5月に旧本部ビルが銃撃された事件について「大きな音がして恐怖を感じた」「事件の後は寝つけない日が続いた」「夜の外出を控えるようになった」などと恐怖を語った。
弁論後に会見した住民側弁護団は「幹部の視線を直接感じながら答えなければならず、ビデオリンクより負担が重かった」と述べた。住民側は今後も別室から証言するビデオリンク方式の採用を求めていく方針。