94歳の元慰安婦、女子高に奨学金を寄付 /統営

 生存する最高齢の元従軍慰安婦が女子高校に奨学金を寄付する。

 元慰安婦の支援団体「日本軍慰安婦のおばあさんと共にする統営・巨済市民の会」(ソン・ドジャ代表)によると、慶尚南道統営市北新洞に住むキム・ボクトゥクさん(94)が30日、統営女子高校に2000万ウォン(約140万円)の奨学基金を寄付するという。

 基金は、キムさんが政府の支援金(生活保護)などを少しずつためたもので、キムさんと統営・巨済市民の会は「慰安婦問題を解決して正義を成し遂げよう」との意味を込め、基金の名称を「正義奨学会」とした。

 統営女子高校への寄付を決めたのは、2010年から自宅を訪ね、ボランティア活動をしてくれた同校の生徒たちに感謝の気持ちを表すためだという。

 同校の「韓国青少年政治外交連合」に所属する生徒たちは、週末にキムさんの自宅を訪ね、掃除や洗濯を手伝い、食事を共にして話し相手になっていた。統営・巨済市民の会のソン・ドジャ代表は「キムさんが『親切な生徒たちに応えたい』と、寄付の意向を示した」と語った。

 統営市で生まれたキムさんは、19歳だった1937年、工場に就職させてやるという日本軍の言葉にだまされ、フィリピンや中国で慰安婦としての生活を強いられた。植民地支配からの解放(1945年)直前、劇的に脱出し、釜山を経て故郷に戻ったという。元慰安婦に対する日本政府の謝罪や賠償を求め、ソウルの日本大使館前で行われる「水曜集会」に参加するなど、慰安婦問題の解決に向け積極的な活動を続けてきた。

 奨学基金の伝達式は30日午後3時から統営女子高校の校長室で行われ、統営・巨済市民の会関係者や教職員、韓国青少年政治外交連合のメンバーたちが出席する。

昌原= 姜仁範(カン・インボム)記者
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