「日本で見る先祖の痕跡に驚いた」

第29回「日本の中の韓民族史」探訪団ルポ

教師を含む552人の探訪団、大阪の四天王寺など韓日の平和を象徴する現場を訪問

 独島(日本名:竹島)問題で韓日間の緊張が高まる中、教師たちが、日本に伝えられた韓民族文化の現場を確認した。ここで教師たちは、先祖の対日文化伝授の最大の目的の一つが、韓日間の対立の解決にあったことを確認した。その代表的なケースが、大阪の四天王寺。朝鮮と日本の交流を通じた平和を象徴する「朝鮮通信使」の現場だ。教師たちは今月12日から17日にかけて、先祖のそうした知恵を学び、そこで学んだことを教室で生徒たちに伝えることになる。

 踏査は、教師341人を含む「日本の中の韓民族史」探訪団552人が、日本列島という空間でおよそ2000年という時間を見て、感じて、考えながら進んだ。

 新羅の攻撃に備える防御拠点だった福岡の太宰府を見て回り、奈良では百済人が古代日本の上層部を形成していたことを示す石舞台や、世界最大の木造建築物であると同時に韓半島(朝鮮半島)系の手があちこちに加えられている奈良・東大寺、また三国古代文化の総合版といえる法隆寺などを見ることができた。6日間にわたり各地で、先祖の高い文化水準と平和を追求する戦略的思考を目にすることができた。

 講義初日の12日、鄭永鎬(チョン・ヨンホ)檀国大学教授は「皆さんは先祖が旅した道をそのままたどる」と語り、今回の踏査の意味を紹介した。太宰府で講義を行ったソン・スンチョル江原大学教授は「今回の探訪の4大キーワードは、神社、古墳、寺、城。テーマごとにフォルダーを作り、教育の現場で教えてほしい」と提案した。ソン教授の講演が終わった後、資料を求める教師からの問い合わせが相次いだ。

 ソン教授のクルーズ船上講義で、倭寇(わこう)の蛮行が絵と共に公開されたときは、うめき声が漏れたこともあった。ソ・ジョンソク公州大学教授は、優れたプレゼンテーションの実力や、百済と日本の交流に関する該博な知識で人気を集めた。

 29回目となる今回の踏査は、韓日間の正しい歴史を学び、真の平和を追求するため、本紙と新韓銀行、GSグループが共同で用意した。

 探査を終えた後、参加者たちは旅を一言で表現した。ムン・ソヒさん(19)は「異なる見方(教室で学ぶのとは違っていた)」、チョ・スヒョンさん(55)は「大当たりと悔やみ(もう少し早く来ていたら良かった)」、チョ・スヒさん(58)は「国力(国に力がなければ、自分の家族も大変)」、ピョン・ジョンヒさん(84)は「びっくり(植民地時代に日本で勉強したが、文化伝来の事実はまるで知らず、とても驚いた)」などの単語で表現した。

九州・京都= 李革宰(イ・ヒョクチェ)記者
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