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磯野家の人々

1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 22:55:32.26 ID:iJWI3qTW0 [1/27回発言]
俺は飛んだ
気づいたら飛んでいたのだ
なんとも表現のしようがない爽快感が俺を襲った。
頭の中が真っ白になっていく・・・
何メートルくらい飛んだだろうか?もう何も考えられない
くらいに爽快感は増していた。

「ずっとこのままでいたい・・・」

神様に願った


しかし突如として流れ始めたバックミュージックの
倉木麻衣の曲が俺を無理やり現実に呼び戻した。

「カツオ!!遅刻するわよ!」

気が付くと、俺は布団の上にいた。
となりに寝ているはずのワカメは、もうとっくに起きて
学校へ行く準備を始めていた。倉木麻衣の新曲を聞きながら。

なんともない、いつも通りの朝だけど、俺にとっては
特別な朝だった。

今日から俺の計画はスタートするんだ・・・・



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2 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 22:56:20.87 ID:iJWI3qTW0 [2/27回発言]
お兄ちゃん、早くしたくしないと遅刻するわよ」

「うるさい!!このメスブタ!!とっとと出て行け」

大人気なく、妹に当り散らしてしまった。
俺もまだガキだな・・・
ワカメが発狂しながら部屋を出て行った。


3 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 22:58:28.52 ID:iJWI3qTW0 [3/27回発言]
俺は素早く着替えを済ませ、部屋を出た。

食事をする為に、みんなのいる部屋に向かうと
ワカメが親父に僕の事をいいつけていた。
まずい・・・・

「カツオ、ちょっとこっちに来なさい」

家族の視線を浴びながら俺はしぶしぶ親父のそばまで歩いていった。

ヒュッ

空気が切れる音がして、俺は吹っ飛んだ。

「ばか者が!!妹に向かってメスブタとはなんだ!
このキチガイが!!」

俺は親父から顔が見えないようにうずくまった。

なぜかって?

顔がニヤけてしまうからさ。

今日から始まる俺の計画の事も知らずに、こんなありふれた
毎日を送っている親父が滑稽でしかたなかった。

「痛いか?わしの手刀は。痛いだろう?これがいやなら
 もうバカなマネはしないことだな!!!」

その時、俺の中で計画スタートのスイッチが押された・・・

4 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 23:05:11.35 ID:iJWI3qTW0 [4/27回発言]
この数年間・・俺は兄というだけでこの親父から惨い虐待を受けてきたような気がする。

思えば三年前の夏の日・・俺は親父にこう言われたんだ・・・。

「ところで君は俺の息子じゃない」と親父は言った。

もちろんこの言葉が家族会議のような場面で言われたのなら、俺の方でもそれなりの
対処ができる。なんといっても親が親ではないということを告白されるのだ、自分のルーツ
があやふやになる致命的な言葉だ。それは家族の絆を揺るがすに十分だからだ。それなりの
場面で言われなくてはならない。

問題は俺がそれなりの場面で言われなかったことだった。誕生日にケーキの上に刺さって
いるろうそくの火を吹き飛ばした直後に言われたのだ。

「カツオ、おめでとう!素晴らしい日じゃないか、おい!君はまた一歩、自由への扉に近づいた
んだ!時系列に沿って巡ってくるこの日はまさに君の翼を象徴するものであろう!
君は君の誕生日ごとに自分の成長を線から点に置き換えることができる。そのことによって
生まれる見えない自信は必ずや君を良い方向へ導くであろう!ところで君は俺の息子じゃな
い」

「よくわかりませんね」と俺はしばらく間をおいてから言った。

「あるいはあなたは酔いすぎてそんなことを言っているのかもしれないし、
そうじゃないかもしれない。どちらでもいいです、それは。
でもいいですか、あなたはあなたの失敗に気づいていない。物事というのは属性がちゃんと
決まっているんです。そしてその属性に見合った時間なり空間がきっちり決まっているんです。
ねえ、僕の言っていることわかります?ねえ、僕はとてもケーキが好きだ。でもこれからはケー
キを見るたびにあなたの言葉を思い出すことになります。それは非常に残念なことです。
あなたの失敗のうちの一つがそれです。二つめは、あなたは僕に恨まれてしまったことです。
空間と時間をわきまえなかったあまり、いらぬ反感を買ってしまったことです」

5 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 23:06:44.21 ID:iJWI3qTW0 [5/27回発言]
それからしばらくの沈黙が家族をつつんだ。

・・・・親父は俺の発言が気にさわったようだ。

ヒュッ
ぞっとするような親父の微笑が見えたと思うや否や、風を切る音がして俺は吹っ飛んだ。

「ばか者が!!父親に対して説教をくれるとは何事だ!この知障が!」

殴られどころが悪かったらしい。俺の鼻と口からは多量の血が流れ出た。

が、恐怖はそれだけでは終わらなかった。親父は更に俺のむなぐらをつかむと
俺の上に馬乗りになり、
「このキチガイが!キチガイが!!キチガイが!キチガイが!」
などとほとんど絶叫に近い怒鳴り声で俺をぶん殴りつづけた。

・・・・合計254発。俺は朦朧とする意識の中で数え続けたのだ。
思えばこの時すでに計画の第一歩となるものがすでにスタートしていたのかもしれない・・。


6 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 23:08:59.46 ID:iJWI3qTW0 [6/27回発言]
昔の忌まわしき思い出に浸るのはこのくらいにしておこう・・・。
そして現在の俺だ・・俺がここにいる。そう、計画の実行という
長年の夢を果たそうとしている俺がいる。

これでついにあの糞親父に大恥をかかせることができるのだ。

いや、うまくいけば殺せるかもしれない・・・。

待てよ、親父殺す前にセックスをしておこう。
などと短絡的に考える俺の脳細胞及び下半身であったが
なまじその単純君達は嫌いではなかった。
その瞬発力は時として幸運をもたらすからである。

めぐみはその白くてやや大きめの尻を高々とかかげた。
やわら両サイドを掴み締め引き寄せる。
自ずと頭は下がり、まさしくめぐみは今一匹のメス犬と化していた。

めぐみ…
この女と初めて会ったのは半年前。
かもめ第三小学校の、俺のクラスに転校してきた。俺は一目でめぐみが気に入った。
雪色の肌、艶やかなストレートの黒髪、姫リンゴのような唇。
新しいクラスメート達を前に、ふっとはにかんで俯いた。その翳り。

一見、楚々としたお嬢様風の装いだが、仕草の端々には
とても小学校5年生の女子とは思えない色香があった。艶…とでもいうのか。
それまで俺が見知っていたクラスの女達、カオリや早川、ましてや花沢などには
到底持ち得ない、『成熟した女』の雰囲気を、めぐみは既に纏っていたのだ。
そう…従兄弟であるノリスケの妻、タイコのような…。
――この女をものにする
俺は瞬間的に確信した・・・。

7 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 23:11:11.95 ID:iJWI3qTW0 [7/27回発言]
中島なども気にはなってはいたようだ。
だが、その雰囲気に圧倒され、声を掛ける者は誰もいなかった。
それが何かも分からずに、男共は彼女を敬遠しがちになっていた。
その雰囲気が…色香だと気付いていたのは俺だけだった。

俺は少しずつ、彼女に接近し始めた。
めぐみが転校してきて五日目の昼休み。
クラスメート達が遊ぶ校庭の片隅で、ひっそりと佇む彼女を見つけた。
男共からだけでなく、女共からも孤立していた。
男共が、そうとは気づかぬまま彼女の色香に尻込みしているのとは反対に、
女共は…明らかに彼女を意識的に避けていた。
成長期において、男子よりも女子の方のが性的に早熟だという。
めぐみが、初々しい肢体の底から時折漂わせる熟れた女の匂い…
いや臭いを、同性達は敏感に嗅ぎ取っている。
そこにあるのは嫉妬…。そうなのだろう。

だが、俺から見ればお笑いだ。
めぐみに比べれば、娘とさえ言えない小便臭い女達が、彼女に嫉妬する姿は。
ことにカオリなど、あからさまにめぐみを嫌っている。つまらない女だ。
まだそう遠くない昔、この女に抱いていた想い。そんなものは嘘だと知った。

親父に『実の子ではない』と宣言を受けた俺に僅かに残された静謐を、
それを凌駕しかねない狂気から守るための逃避でしかなかった、と。
俺は、校舎の壁に寄り掛かる彼女に、声をかけた。
「めぎゅーー♪」
めぐみに抱きついた俺は背後に視線を感じた。
そこには義妹のワカメが立っていた。
俺は本能的にそのときたまたま持っていたトカレフをワカメめがけて発砲した。
「兄者ーーーーーーーーーーーーーーー」
ワカメは一瞬で絶命した・・・。

8 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 23:12:46.78 ID:iJWI3qTW0 [8/27回発言]
めぐみとの行為は早く終らせねばならない。
何故なら月曜の夜は自分がホットケーキを焼かねばならないのだ。
ほぼ崩壊しつつある家庭だが、この行事こそが今では唯一の
兄、居候としての存在意義を主張するものとなっている。
相も変わらず姉は意味無くヒステリーを起こし、タラは泣き喚いている。
茫然とキツネ色のホットケーキを見つめながら
めぐみの陰部を思い出していた。
はちみつを垂らし舐めてみる。
さあ、今日も夜の場末街に身を投じるのか。
厭世観に酔う月曜の夜であった。
「ウィーーーーーーーーーー、今帰ったぞ!カツオ、これは土産だ!!!」
親父が帰ってきた。今日は機嫌が良い様だ。へべれけのまま居間に入って来る。
その時、俺の体の中をイナズマが走った。「今なら殺れる・・・!」
もう計画のことなどどうでもよくなっていた。
俺は親父の背に立ち、手に持ったマサカリを構えた。
今、やらなければ・・でなければ・・・
「でなければ!完全に人生を諦めるんだ!与えられた運命を!
おとなしく!永遠に受け入れ!行動し!生活し!愛する権利を一切断念して!
自分の中の全てを押し殺すんだ!!!」
俺は親父の頭にマサカリを振り下ろした。
血に塗れたマサカリ、飛び散った親父の脳漿・・・。
禿げ上がった頭部にマサカリを振り下ろした時の手の感触。
そして俺は初めて現実を直視するに至ったのである。
10歳のめぐみに熱をあげ、家庭も学校もなけなしの貯金も
25ギガまで貯め込んだエロサンプル動画も、全てを捨て去るのか。
「俺はなんてことをしてしまったんだ・・・」
何故か目の前の風景が曇っている。涙が溢れていたのだ。
そして俺は・・・


9 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 23:15:29.24 ID:iJWI3qTW0 [9/27回発言]
そして俺は・・・


俺は飛んだ。気づいたら飛んでいたのだ。
なんとも表現のしようがない爽快感が俺を襲った。

頭の中が真っ白になっていく・・・

何メートルくらい飛んだだろうか?もう何も考えられない
くらいに爽快感は増していた。

「ずっとこのままでいたい・・・」
神様に願った。

しかし突如として流れ始めたバックミュージックの
宇多田ヒカルの曲が俺を無理やり現実に呼び戻した。

「カツオ!!遅刻するわよ!」 気が付くと、俺は布団の上にいた。

となりに寝ているはずのワカメは、もうとっくに起きて
学校へ行く準備を始めていた。宇多田ヒカルの新曲を聞きながら。

なんともない、いつも通りの毎日が、今日も始まろうとしていた。

「お兄ちゃん、早くしたくしないと遅刻するわよ」


「ああ、もう起きるよ。・・・おはよう」


10 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 23:18:26.13 ID:iJWI3qTW0 [10/27回発言]
「ああ、もう起きるよ。・・・おはよう」

そして俺はしばらく間をおいてから言った。

「・・・とでも言うと思ったか!!このメスブタ!!とっとと出て行け」

大人気なく、妹に当り散らしてしまった。
俺もまだガキだな・・・
ワカメが発狂しながら部屋を出て行った。

俺は素早く着替えを済ませ、部屋を出た。



11 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 23:19:06.94 ID:iJWI3qTW0 [11/27回発言]
食事をする為に、みんなのいる部屋に向かうと
ワカメが親父に僕の事をいいつけていた。
まずい・・・・

「カツオ、ちょっとこっちに来なさい」

家族の視線を浴びながら俺はしぶしぶ親父のそばまで歩いていった。

ヒュッ

空気が切れる音がして、俺は吹っ飛んだ。

「ばか者が!!妹に向かってメスブタとはなんだ!
このキチガイが!!」

俺は親父から顔が見えないようにうずくまった。

なぜかって?

顔がニヤけてしまうからさ。

今日から始まる俺の計画の事も知らずに、こんなありふれた
毎日を送っている親父が滑稽でしかたなかった。

「痛いか?わしの手刀は。痛いだろう?これがいやなら
 もうバカなマネはしないことだな!!!」

その時、俺の中で計画スタートのスイッチが押された・・・

12 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 23:20:59.63 ID:iJWI3qTW0 [12/27回発言]
申し訳ありません、お父様、僕が大人げありませんでした。
 ついカっとなってしまって・・・」

俺は涙ぐんだ。

もちろん演技だが

「わかればよいのだ。お前は磯野式古流拳法の才能は
確かに無い。しかしお前も私の息子なのだ。それを忘れるな。
では食事をしなさい」

俺は親父のそばを離れ、自分の席についた。
家族が全員揃ったので、親父が家族に向けて話し出した。

「わかっているとは思うが、あと10日後になった。
 なんの事だかは分かるな?タラオ」

親父は孫のタラオがお気に入りだ。食事の時はいつも
タラオに話かけている。

「ハイ、オジジサマ。イソノサイ(磯野祭)デ、ゴザレ」

タラオは当たり前の事のように答えた。


13 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 23:24:19.41 ID:iJWI3qTW0 [13/27回発言]
「そうだ。皆完璧に準備をしておくように」

親父はこれだけが言いたかったらしく、話が終わると
ライオンのようにシャケをかじりはじめた。

食事を終え、俺は学校へ行くしたくを急いだ。
もちろん学校へ行く気などないのだが・・・

「お兄ちゃん、早くしないと、置いていくわよ!」

ワカメが発狂した。

殺意を覚えたが、実行するにはまだ早かったので、
自分を押し殺して返事をした。

「スマン、今行く・・・」

俺はワカメと一緒に玄関をでた。

さっき親父は俺に「磯野式古流拳法の才能が無い」などと言っていたが、それは違う。
俺に「学ぶ気がなかった」だけなのだ。

まあ、後でわかることだろうから、今はこの辺にしておく。

家を出て50メートルくらい歩いただろうか?

もういいだろう


14 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 23:26:27.05 ID:iJWI3qTW0 [14/27回発言]
「おい!ワカメ」

隣で必死に「キックザカンクルー、キックザカンクルー」
と叫んでいるワカメに声をかけた。

「なに?おにい・・・・・グハっ・・・」

声をかけると同時に、俺はワカメの腹に素早くパンチを入れていた。

ワカメは不意打ちだったので、簡単に気絶した。
不意打ちでもないと、こうも上手くはいかなかっただろう。
俺はワカメを担いで、近くの川まで走った。
そしてとりあえずワカメを縄で縛り、川に投げた。


これで少し時間が稼げる。


俺は休む間もなく走った。
行く先はもちろん学校じゃない。

5分くらいで目的地に着いた。巨大な洋風の屋敷だ。


15 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 23:28:24.44 ID:iJWI3qTW0 [15/27回発言]
「イササカ先生!!イササカ先生!カツオです!
 カツオ・イソノです!開けてください!」

無言のまま何の反応もない。
俺は続けて呼びかけた。

「先生!時間がありません!磯野祭がせまっています。
 今日で僕も満11歳です!奥義を伝授していただきたく
 参りました。お願いします!イササカ流暗黒武術の
 奥義を!!!!」

ギギーーーっ

出迎える者も無く、ただ扉だけが開いた・・・・


16 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 23:30:47.12 ID:iJWI3qTW0 [16/27回発言]
「誰なの!?待っていたよ」

どこからともなく先生の声が聞こえてきた。

俺は洋館の中へと入って行った。

何年ぶりだろう?ここへ来るのは。
俺は3歳の時、親父のやり方に矛盾を感じ、磯野式
古流拳法の道を捨てた。
そして、イササカ流の道を選んだのだ。
それから3年間は地獄のような日々を送った、
もちろん家族の誰にも気づかれる事なく。
しかし、6歳の時に先生に「もう教えてあげない」
と言われてから1回も訪れた事はなかった。

今日、訪れた理由はただ1つ。
満11歳をこえた者のみが習得できるという
イササカ流暗黒武術の奥義を習得するためだ。

屋敷の中は真っ暗だ。
いつもそう・・・・。
俺は先生の姿を一度も見た事がないんだ。
ただ声が聞こえるだけ。

「どうなの?調子は?誰なの?」

先生の声が響いた。

「イソノです!波平の息子のイソノです!」


17 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 23:32:51.28 ID:iJWI3qTW0 [17/27回発言]
毎日修行を受けていたはずなのに、先生は未だに俺の
事を誰なのか分かっていない・・・
きっと先生にとってはそんな事重要ではないのだろう。

「そうなの。で、何の用なの?奥義?いいよ。じゃー、
 そこに正座してちょうだい」

俺は先生の言うとおりに正座した。



5時間が過ぎた・・・


「先生!まだ、奥義は伝授していただけないのですか!?」


俺が辛抱できずに叫んだ瞬間、部屋の明かりがついた。
目が慣れずに何も見えない!
それに、正座をしていたせいで、立ち上がる事もできない・・・

しかし、何かが俺に向かって殺気を出しているのを感じた。

「isono~~~~~~~~!!!!!」

あの声は!!!!!

「3年前、自己破産して行方不明になったnakajimaか??」

18 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 23:35:12.38 ID:iJWI3qTW0 [18/27回発言]
「isono~~~、久しぶりだな・・・・。あれから俺は
 イササカ流を学んだんだよ。覚悟しろ!!!」

nakajimaが、昔よりずっとしゃがれた声で言った。
まさか、こんな形で再会するなんて、思いもしなかった。
nakajimaと俺は親友だった。
あの事件があるまでは・・・・


3年前、nakajimaは国会議員の選挙に立候補した。
「メガネは顔の一部です」
をスローガンに地元で選挙活動を行い、絶大な人気を
得ていた。
そのままいけば、きっと当選していたんだろう。
しかし事態は急変した。

選挙一日前になって町中にこんなちらしが出回った。
「わしの毛髪、オンリーワン」
そう俺の父、波平が出馬したのだ。

nakajimaは落選した。


19 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 23:39:22.61 ID:iJWI3qTW0 [19/27回発言]
その後nakajimaは選挙費用の為にした借金のため、
自己破産した。
俺はnkajimaに恨まれるのはしょうがない事だと思っている。
きっと、俺も親父と同じだと思われているはずだ。

nakajimaは殺気をむきだしにして、向かってきた。
俺は目も良く見えないし、足がしびれて立つこともできない。

ここまでか・・・・

そう思った瞬間、先生の声がした。

「あなたが今まで学んだ事を今ここで全てだしなさい。
 そして唱えなさい「金的蹴り」と」

俺の動かないはずの足は先生の声を聴いた瞬間、なぜか
動き出し、思いっきり蹴り上げていた。
そして俺は叫んだ「金的蹴り」と。

俺はnakajimaを倒した。

これがイササカ流暗黒武術の奥義か・・・・
目からうろこが落ちた。


20 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 23:41:22.06 ID:9VQruGQI0 [1/2回発言]
もしかして見てるのって俺だけ?

21 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 23:42:11.56 ID:iJWI3qTW0 [20/27回発言]
「isono~~~~、と、とどめをさせ」

nakajimaがひん死で言った。

「nakajima,とどめはささない。また立候補するなり
 好きにするがいい・・・・」

nakajimaは涙ぐんだ。

俺は中島を背に、屋敷を出る事にした。

「先生!ありがとうございました!これで磯野祭を
 なんとか阻止できそうです。」

その時

「ギャーーーーーーーーーーーーーーー」

nakajimaの声が響いた。
振り返ると、nakajimaの腹を何者かが、手で貫いていた・・・

「ワカメーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

俺は怒り狂った


22 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 23:46:06.81 ID:EWXQ9Up9O [1/1回発言]
とりあえず乙

23 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 23:46:13.91 ID:iJWI3qTW0 [21/27回発言]
「ハァハァハァ・・・お兄ちゃん、よくもやってくれたくれたわね!!」

水とnakajimaの血でずぶ濡れになりながらワカメが叫んだ。

「ワカメ!nakajimaを放せ!目的は俺だろう?
  今ならまだ間に合う!補導されたいのか!?」

中島はワカメに串刺しにされながらも、まだ微かに息があった。

「あはは、お兄ちゃんは知らないでしょうね。磯野式古流拳法の落ちこぼれですもんね!」

ワカメは見下すように俺を見て言った。

「どういう事だ!?」

その時は意味がわからなかった。

ワカメはうっすら笑みを浮かべながらnakajimaのメガネに手をかけた。

「や、やめろーーーーーーーーーーーーーーー!」


24 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 23:48:27.01 ID:iJWI3qTW0 [22/27回発言]
「nakajimaのメガネはnakajimaの心臓部にあたる!メガネを外せばnakajimaは
 息耐えてしまうんだぞ!」

俺は叫びながらワカメに飛び掛る。妹に本気で攻撃するのはこれが
初めてだが、やむをえない。

「イササカ流暗黒武術奥義 金的蹴り!」

奥義は完璧な角度でワカメにヒットした、しかし・・

!!!!?

金的が無い?

ワカメがニヤリと笑ったのを確認した瞬間、俺の体は吹き飛ばされ、壁に叩きつけられた。

「お兄ちゃん、私にその技は効かないわ。去勢してるからね」

俺はワカメのその言葉を聞いた後気を失った


25 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 23:48:45.37 ID:foWzTQIF0 [1/1回発言]
カオス

26 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 23:49:30.07 ID:dNVa+aW2O [1/1回発言]
去勢w

27 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 23:50:41.14 ID:9VQruGQI0 [2/2回発言]
ふたなりか・・・

28 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 23:50:58.81 ID:iJWI3qTW0 [23/27回発言]
暗闇の中で誰かが俺に囁いている。

「キムチ 消しゴム 先生の下半身 メガネ メガネ 犬の糞 
 
 ジンロクの靴下 メガネ ソフトクリーム 中島のメガネ
 
 100点の答案 メガネ 鍋の蓋 メガネ カオリちゃんの唾液」

??

どういう意味なんだ!?

おい!囁いているのは誰だ!出て来い!

「ブーーーーーーーーーーーーーーーーッ」

突然なった巨大な屁の音と共に光が満ちてきて俺の意識は消えた・・


「磯野君!起きて!ねぇー!磯野君ってば」

気が付くとそこには、見慣れた屈強な筋肉があった。

「花沢さん!」


29 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 23:53:43.76 ID:iJWI3qTW0 [24/27回発言]
「よかった…磯野君」
花沢さんは目を潤ませている。

「俺…どうしたんだ?nakajimaと戦って…ワカメと戦って…
そっそうだ!!nakagimaは!?nakagimaは無事なのか!?」


花沢さんは一瞬口をこわばらせ、俺から目をそらした…。


30 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/07(月) 23:55:36.26 ID:iJWI3qTW0 [25/27回発言]
花沢さんが涙を拭いながら言った

「磯野君、何があったの?イササカ先生に呼ばれて来てみたら、あなた
 とnakajima君が倒れてたのよ」

「そうだ!nakajimaは!?nakajimaは無事なのか!?」

俺が尋ねると、花沢さんが暗い表情で言った。

「私が来たときにはもう・・・お腹の傷は大丈夫だったの、急所じゃなかったみたい。
でも・・・メガネが剥ぎ取られていて・・・」

nakajimaが死んだ・・・なんてことだ

nakajimaとの思い出が走馬灯の様に頭に映し出される

「俺は、俺は・・・・・」

「あなたのせいじゃないわ。聞かせて何があったの?あの事と何か関係があるの?」

俺は花沢さんに一部始終を話した


31 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/08(火) 00:00:52.91 ID:iJWI3qTW0 [26/27回発言]
「そう・・・ワカメちゃんに・・この所、あなたの家からものすごい臭いがしていたわ。
やっぱり磯野祭の影響なのね」

実際、ここ数日俺以外の家族の「臭気」は日をまして高くなっていた。
ワカメに俺の力が及ばなかったのはそのせいもある。
もともとワカメの最大臭気計指数は635、俺は750程度だから、苦戦は
しても、さっきみたいに一撃でやられるはずは無いのだが
このまま時間が経てば、力の差は開く一方だ。
急がなければならない。

「花沢さん、さっき気絶している間に囁き声が聞こえたって言ったろ?
あれはもしかしたら、磯野祭に必要な材料かもしれないんだ。nakajimaのメガネ
も入っていたしね。それに、ワカメが磯野流の落ちこぼれの俺は知らなくて当然だと
言っていたのも、その事かもしれない」

「そうかもしれないわね・・と、すると次は先生、ジンロクさん、カオリちゃんが
 危ないわね。」

花沢さんが筋肉をさすりながら言った。


32 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/08(火) 00:05:02.33 ID:iJWI3qTW0 [27/27回発言]
「うん、だから手分けして3人に会いに行こう。俺は下水で引きこもり中のジンロクさんと
失業中の先生に会いに行くから、花沢さんはカオリちゃんを頼むよ。カオリちゃんの居場所
は俺は良く知らないから」

「分かったわ、まかせて!」

花沢さんが笑顔でバーベルを持ち上げながらガッツポーズをした。
俺は立ち上がろうとして、花沢さんに手をかけた。
その時

!!!!!!!!!!!!!!
この臭いは!!!!!!!!!

「花沢さん!逃げるぞ!物凄い速さで親父が近づいてきている!」


33 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/08(火) 00:07:23.87 ID:YrgiCcRI0 [1/2回発言]
ワカメが親父に報告したのだろう。
制裁を与えにやってきたに違いない。
今捕まるわけにはいかない。

「もの凄い臭気ね。私のボディーが震えているわ」

花沢さんの巨体がブルブル震えている。

「イササカ先生!聞こえますか?カツオです!カツオ・イソノです!
気づいておられると思いますが、親父が近づいています!
今まで長い間ありがとうございました!この恩は忘れません!
命をかけて磯野祭を阻止します!」

「・・・・頑張ってねー。でも、誰なの?」

イササカ先生にあいさつも済んだ。もしかしたらもう会うことはないかもしれない。

「花沢さん!行くぞ!今の俺たちじゃ親父に勝つことは不可能だ!
 臭気を消して逃げるしかない!」

「そうね!逃げましょう!」

俺と花沢さんは頭から水をかぶり、イササカ先生の洋館を飛び出した。

34 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/09/08(火) 00:11:30.38 ID:YrgiCcRI0 [2/2回発言]
「とにかく「ミカワヤ」に向かいましょう!あそこには反波平部隊が待機しているの!
あそこのサブちゃんは私の友人だから、事情を話してかくまってもらいましょう!」

「ミカワヤ」は親父の支配に反抗する部隊の拠点で、親父の息子である俺の事を信じて
くれるか心配だが、この際しょうがない。

俺と花沢さんは夢中で走った。
もう少し・・もう少し

ミカワヤまで数百メートルの所まで来て、
親父の臭気を探ってみる、大丈夫だ匂わない。

俺は少し安心して、気を抜いた。

その時

「グ、グハッ」

花沢さんの苦痛な声が聞こえた。

振り返ると、花沢さんが電柱に叩きつけられている。

何が起きた?臭気も消しているはずなのに・・



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