国が設立した公的法人「日本司法支援センター」(法テラス)が常勤弁護士に超過勤務手当を支払わないのは違法として、法テラス八戸法律事務所(青森県八戸市)の安達史郎弁護士(36)が残業代など約109万円の支払いを求める訴訟を八戸簡裁に起こしたことが24日、分かった。
法テラスによると、所属弁護士が超過勤務手当を求める訴えを起こしたのは全国初。
訴えによると、安達弁護士は八戸事務所が開設された2010年1月から常勤弁護士として勤務。今年3月までは所長も務めた。超過勤務手当を求めたが、法テラス側は常勤弁護士が労働基準法上の管理職に当たり、拒否したとしている。
常勤弁護士の勤務時間は、就労規則で1日7時間30分と規定されているが、安達弁護士は月約17時間の超過勤務があったと主張。訴状では11年11月分までの超過勤務手当を請求した。同弁護士は「実際は名ばかり管理職で、残業代が出ないのは実態にそぐわない」と話した。
一方、法テラスの北岡克哉総務部長は「常勤弁護士は一定の職員を管理監督する立場と内規で明記している」としている。