- 2012-02-11 (土) 12:09
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悪意に満ちた「講師の課題と講演内容について」を
何度か読み返すうちに違和感がどんどん強まってきた。
今までのやりとりのなかでは出てこなかった、
「マイノリティ青年」といった奇妙な表現や独特なクセのある文章。
まるでわたしが部落差別事件を起こしたかのように決めつけたうえに
自分たちから講演依頼をしておいて「なぜ引き受けたのか」と問うてくる。
わたしの両親を「障害者差別者」と決めつける。
講演内容を具体的に示さないまま、「問題だ」と断定する荒っぽさ。
わたしは行政のひとたちが文書を作成する際
一言一句にどれだけ神経をとがらせるか、
一緒に仕事をした経験からよく知っている。
しかしこの文書は、文章としての体すらなしていない。
講演の録音を聴いてくれた部落解放運動関係者を再び訪ね、読んでもらった。
「行政が出す文書とはとても思えない。
運動体でもこんな文書は出さない。
こんな理屈が世間に通用するわけない。
いやー・・・ちょっと信じられへんわ」ということだった。
この関係者に限らず、この文書を読んでもらったひとはみな
「相手にする価値はない。
社納さんがしんどい思いをするだけだから、
受け流したほうがいい」という意見だった。
わたしだって好き好んで対応しているわけではない。
何を言っても耳を貸さず、「ご意見やお考えをお聞きしたい」と迫ってくるのだ。
「とにかく社納さんに”自分の認識が足りなかった。
勉強不足で申し訳なかった”と謝らせたいんでしょう。
そうとしか思えない」と言ったひとも何人かいた。
それが事実かどうかはともかく、
第三者にそう思われること自体、
亀岡市教育委員会や人権教育そのものにとって
大きなマイナスなのではないか。
とにかく、わたしは亀岡市教育委員会と”面談”する気などない。
さらに仮にも教育委員会が一般市民を「差別者」扱いすることや
ひとの話を根拠も示さず「えせ同和行為」と決めつけることを受け流せなかった。
わたしは講演依頼から始まった亀岡市教育委員会人権教育課とのやりとりの経過や
メールのプリントアウト、これまで人権教育課から送られてきた文書や
講演に対する礼状やアンケートのコピーなどを添えて、
亀岡市教育委員会竹岡敏教育長にあてた抗議文と質問状を作成した。
抗議文を記載する。
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2012年1月8日
亀岡市教育委員会
教育長 竹岡 敏 様
フリーライター
社納 葉子
前略
2011年7月12日に私が講師を務めました「人権教育講座」の内容につきまして、
2011年12月29日に「亀岡市教育委員会」からの文書を受け取りました。(添付⑤)
私の講演につきましては、
平成23年7月28日付で竹岡敏教育長名義での礼状をいただきました。
その際、参加者のアンケートも添付いただき、概ね好評をいただいたと安堵しておりました。(添付⑥)
ところが講演から3ヶ月以上も経過した同年11月9日に突然、
人権教育課の○○○○課長より「社納さんの講演に問題があるとの指摘が関係機関からあり、
教育委員会として昨日ちょうど会議をもったところです。時間をつくって、
こちらまで来てほしい」との申し出があったのを皮切りに、
これまでさまざまな経緯がありました。
(添付⑦)
私の講演内容に「問題がある」とのことでしたが、
○○課長は今回の文書で示されるまでは何度お願いしても
一切「問題」の内容を明らかにされませんでした。
再三「まずは文書で”問題”の内容を提示してほしい」と求め、
先述の通り12月29日に受け取ったのが添付⑤の文書です。
しかしながら、文書に回答先が示されておらず、
どのように対応したものか困惑しております。
文書が「亀岡市教育委員会」名義であること、
これまでの経緯から○○課長の対応に大きな不信を抱いていること、
また竹岡教育長様名義の公式な礼状を受け取っていることから、
今後は亀岡市教育委員会を代表する教育長様を
この件のご連絡先とさせていただきますようお願いする次第です。
さて、今回受け取った文書ですが、その内容が理解しかねるものでであり、
あらためてこちらからご確認させていただきたいことがございます。
別紙の質問状にお答えいただきますようお願いいたします。
質問に先立ちまして、3点を確認させていただきます。
まず、問題提起されるのであれば、
私の講演内容を一言一句もらさず文字化したものを提示し、
具体的にどの部分にどのような問題があるのかを示されるのが相当であると考えます。
今回の文書では、ただ特定の方が聞いた印象だけが列挙されており、
回答のしようがございません。
さらに、事実とは大きく異なることが
あたかも事実であるかのように書かれている部分もあります。
あえて真意をねじ曲げたとしか思えないものが
「事実」として流布することは私の今後の仕事にも差し支えます。
今後の対応によっては法的措置も視野に入れざるを得ません。
現在、部落解放運動に長年携わり、
差別問題について熟知している方や法律の専門家に相談にのっていただいております。
最も事実と異なり、私が承服しかねる点は、
私の両親を「障害者差別者」と名指しておられることです。
私は講演で両親を「障害者差別者」だとは申しておりません。
実際、両親はそのような言動は一切おこなっておりません。
行政機関が事実関係も確認せず、
個人を「障害者差別者」と名指すことがあってもよいものでしょうか。
今回送ってこられた文書に関しては全面的に異議を申し立てますが、
特にこの件に関しては厳重に抗議し、即時撤回、謝罪を求めます。
別紙の質問に速やかにご回答ください。
電話での連絡は一切お断りいたします。
平成23年7月28日付で正式な礼状(23教人第1037号)を受け取っており、
その時点で私の役目は果たしたと認識しておりました。
これまでも人権教育課の○○課長には
「教育委員会として正式な文書を出していただきたい」旨を繰り返し申し上げてきましたが、
今後も公式文書での回答、連絡を求めます。
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この経過を教育長自ら容認しているとは思えなかった。
いや、思いたくなかった。
教育長に届くよう、祈るような思いで
1月8日、教育長あてに配達証明付で送った。
長引くことはまったく望んでいないので、
1月末までに回答をと書き添えた。
つづく。
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