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大飯原発説明会 慎重意見相次ぐ
4月26日 21時32分

大飯原発説明会 慎重意見相次ぐ
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関西電力・大飯原子力発電所の運転再開を巡り、地元の福井県のおおい町で住民説明会が26日午後7時半から開かれました。参加した町民からは「運転再開に協力したい」という意見がある一方で、「原発は経済面と安全面を切り離して考えるべきだ」、「安全対策が住民にはわからない」といった運転再開に慎重な意見が相次ぎました。

大飯原発3号機と4号機の運転再開を巡っては、枝野経済産業大臣が、今月14日、福井県とおおい町に運転再開への理解を求めていて、おおい町では、26日午後7時半から町民およそ550人が参加して住民説明会が開かれました。
説明会では、まず柳澤経済産業副大臣が「専門家の技術的評価を踏まえ、大飯原発の運転再開について安全性が存在すると判断した」としたうえで、「関西圏の生活や国民生活への影響を最小限にするためにも、大飯原発は重要だ」と述べ、運転再開の必要性を訴えました。
これに対し参加した町民からは「運転再開に協力したい」という再開に賛成の意見がある一方で、「原発は経済面と安全面を切り離して考えるべきだ」、「安全対策が住民には分からない」といった運転再開に慎重な意見が相次ぎました。また、「独立した原子力規制庁ができないと国民は信用できません」といった政府の対応を批判する意見も出ていました。住民説明会は、予定時間を10分過ぎた午後9時10分に終わりました。
おおい町の時岡忍町長は「運転を再開するには町民の理解が大切だ」と主張し、町民の意見を踏まえて再開を判断するとしていて、26日の住民説明会を受けて、おおい町がどう判断するのか注目されます。

おおい町長“目的は達成”

住民説明会の終了後、おおい町の時岡忍町長は記者団に対して、「住民が副大臣の説明を静かな環境で聞くことができた。質疑の時間も十分取ることができ、目的は達成できたと思う」と述べ、説明会は1回限りとする考えを改めて示しました。そのうえで、時岡町長は「長年原発との共生策を取ってきた町として、安全を大前提としたうえで稼働できればいい」と述べ、大飯原発の安全性に関する県原子力安全専門委員会の検証結果と町議会の意向を踏まえて、運転再開の是非について判断する考えを示しました。

柳澤副大臣“理解進んだ”

経済産業省の柳澤副大臣は「厳しい意見もあったが住民の方の顔を見ながらやりとりをした結果、私なりには理解は進んだと考えている」と述べました。今後、住民への説明をどのように進めていくのかについては、「きょうの説明会を受けておおい町としての考えをまとめてもらい、答えをいただいたうえで対応したい」と述べるにとどまり、具体的な方針は明らかにしませんでした。また、住民から電力の消費地である関西圏の理解を得られるよう政府が責任をもって取り組むよう求められたことについて、柳澤副大臣は「持ち帰って、あす以降、大臣と相談し具体的な方針を決めたい。必要ならばどこにでも説明に行く」と述べました。

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